表紙やカバーの折り返しの絵柄不足にならないための事前対策は?
表紙やカバーの絵柄寸法を設定する場合には、前項「上製本ケースのデザインが逆!」のケースの場合と同様、必ず本紙束見本を作らなければなりません。束寸法が正確にわかっていなければ、表紙の背幅寸法が決められないからです。用紙や台割りの変更がないからといって、背幅の計測に類似サイズの本を代用したり、最初に作った白紙の束見本を使用したりすると、束寸法が違っていて思わぬトラブルを発生させることがあります。正確を期すためには、本紙による束見本に基づいた表紙の展開寸法を確認してから、製版、印刷に入らなければなりません。当然のことですが、上製本の表紙の場合には、表紙カバーの芯紙の厚み+折り返し代分(最低でも3㎜以上)の絵柄寸法を表1、表4とも伸ばしておく必要があります。カバーやケースについても同様で若干の折りズレがあっても目立たないように、3㎜以上の折り返し代を取らなければなりません。これらを校正刷りの段階で束見本と照合し確認しておけば、トラブルになることはありません。面倒でも束見本を製作して確認することが、問題の発生を防ぐ最良の手段です。