製本用語集

(かみの)たてめ (紙の縦目)long grain

抄紙のさい漉き網の上を紙料が流れた方向に沿って長く断たれたものを縦目という。その反対に機械幅の方向に長く断たれたものを横目という。紙の目を見分けるには、用紙の端を細長く切り取って水に浮かべる。紙片はカールするが、カールの軸になった方向が紙の目方向ということになる。枚葉紙は全紙寸法の長辺に繊維が平行に流れている紙を縦目(T目)、短辺に平行に流れている紙を横目(Y目)という。包装紙にくるまれた状態ではラベルが長辺側に貼ってあれば中身の用紙は横目の紙、短辺に貼ってあれば縦目の紙であることを示している。また寸法表示で「短辺×長辺」は縦目、「長辺×短辺」は横目であることを示している。本に使われる印刷紙の目は、本の天地の方向に平行(縦目)になるようにする。紙は湿度の変化によって目と直角になる方向に伸縮するから本文紙の開閉が柔軟で扱いやすくなり、長期間の使用や保存に耐えられる。反対にノド(背側)に向かって直角になる目(横目)を使うと紙の伸縮が逆方向になり、背固めされた本の背は弓なりに湾曲してノド際にしわが出る。本文紙の開閉が硬くなり、背割れや背剥がれが起きる。横長製本の場合は普通の縦長製本とは逆目の紙になる。