ようそうぼん、ようせいほん (洋装本、洋製本)
和本・和装本に対する言葉。14世紀、ヨーロッパで現在のような本、帳簿、伝票等のスタイルが完成した。わが国にヨーロッパの製本方法が伝わり、ヨーロッパ式の製本が行われるようになったのは明治6年(1873年)。W・Fパターソンが日本人に製本罫引(けいびき)術を教えたのに始まる。ちなみにこの年に横浜生糸会社が開業し、第一国立銀行が設立されている。毛筆で記帳する大福帳にかわって、欧米式の今日のような会計帳簿が必要になっていたのだろう。「洋書」「洋本」「洋紙」等の言葉は、いずれも同じ事情からはじまった言葉。伝統的なものを「和」で意味し、伝統に対する「新」、和に対する「洋」を強調している。現代においては「和・・・・・」が残り、「洋・・・・・・」はほとんど言われなくなっている。