製本用語集

ぶんこぼん (文庫本)

昭和2年(1927)7月、岩波書店が、ドイツのレクラム世界文庫にならって創刊した岩波文庫が、わが国文庫本のはじめ。活版印刷、糸かがり、天アンカット、栞紐つき、グラシンのカバー掛け等の造本だった。昭和40年頃まで10種類近くの文庫が出版された。無線とじが採用され、カバーがビジュアルな多色印刷に、さらに1台16ページから32ページに、天アンカットをやめて栞紐をつけない・三方化粧断ち、印刷もオフ輪による等、文庫本の印刷製本は猛烈な変化を遂げている。文庫本を出版する版元も激増して、現在はコミック、辞書、写真集や画像集の文庫本、ハードカバーの文庫本も出版されている。サイズは長い間、A6判が文庫本サイズということだったが、文字を大きくしたB5判、薄くてより小さくしたミニ本等もつくられている。