製本用語集

せがため (背固め)backlining and headbanding

伝票類を背固め断裁して、背になる部分に接着剤を塗布して背を固める作業である。単式伝票や複写伝票などは、バラもの以外すべてこの作業が必要。背固めの側により「天のり」「横のり」「下のり」などと呼んでおり、着色された接着剤で背固めをしたり、染料で着色して仕上げるときは「色天」「青天」「青のり」などと言っている。

<背固め断裁>
背固めする面は、断裁機の内側に残る面とするようつとめる。これを突きそろえないで積み上げて背固めをする。断裁された駒は、1駒ずつ締め板の上に背固めする面をそろえ、左右は少しずらして垂直に積み上げる。このとき駒のつなぎ目が前後しないようきれいに積み上げるのはもちろん、駒の上部が「オチョコ」になりやすいので板を当ててこれを防ぐ。積み上げる方法は「寄せ掛け」と「紐とり」がある。

<接着剤の塗布>
製本の仕方にあった接着剤を使用する。最近はほとんど合成接着剤を使用するようになったが、薄葉紙や更紙のときは澱粉糊のほうが良い。断ち切りベタカーボン紙やベタ印刷のときは紙質に大きく影響されるから実際にテストして適当なのもを用いる。接着剤は中央部より端の方へ向かってむらなく塗布する。背中に沢山細かい傷を付けると、それだけ強く接着できる。セパレートワックスを塗布したときの接着剤は、皮膜が弱く浸透性の強いものがよい。

<背固めはがし>
1冊ごとあるいは1組ごと剥がすときには、普通にはペーパーナイフを用いるが、指先で裏返してめくるようにして分けることもある。背固め剥がしは1駒のなかの順序や、駒相互の順序を乱さないよう、特に番号入りの場合は注意を要する。これは作業中に異常が発見されたとき容易に相関連する箇所を探すことができるからである。