うすびょうし (薄表紙)flexible cover
「厚表紙」に対する言葉。上製本の表紙の一種。芯紙に薄い地券紙を貼ったものが薄表紙である。芯紙の外側からクロス・布などの表装材料を貼り、表紙を柔軟にしている。辞書などに多い。総革の聖書などもこばおれ(たれ革)仕立てにした製本になっている。薄表紙はその仕立て方によって、無双(むそう)表紙・薄切り表紙・たれ革表紙の3種がある。無双表紙は辞書に多い様式で、1枚の芯に1枚のクロスを貼ったもの。表紙は柔軟である。溝切り表紙は芯紙に薄い板紙を用い、表紙の背とひらの芯紙の間を切り離して溝を付けて貼る。たれ革表紙は本の表紙を中身よりはみ出した形にしたもので、中身は丸仕立てにして三方を保護する形にしてある。そのため一枚革(まる革)の表紙に仕立てる。見返しは厚めの紙を用いる。