製本用語集

つぎひょうしばり (継ぎ表紙貼り)quarter case making

継ぎ表紙は、表紙の装丁デザインを目的とした表紙で、背の部分と平ボールの表側と裏側に2枚のクロスを貼って仕上げるものと、表紙の表・裏の小口側の天地の4つの角に2等辺三角形の革またはクロスを貼って仕上げる継ぎ表紙からなる2種類の加工法がある。

  1. <3枚継ぎ表紙>
    (a)束見本によって計画された背空き寸法(背幅と溝幅寸法を加えたもの)に合わせたT字型の定規をつくり、それを貼り台の上に固定する。
    (b)表紙の背に貼る材料を用意し(背空き寸法+平の出寸法×2+掛け幅10mm、板紙天地寸法+折り返し寸法×2) を短冊状に裁って貼り加工の準備を整える。
    (c)用意した背クロスに接着剤(革の場合には姫糊、その他の材料はニカワ)を塗布する。
    (d)一方、貼り定規を中心にした両側に板紙を置き、その上から糊つけした背革(クロス)を等分に貼り、裏返して背空きの中心に背紙を貼る。次ぎに天地を折り返して背の部分を貼り終える
    (e)背クロスを貼り終えた表紙に、平の出寸法を決める見切り線を空押しする。
    (f)平貼りの材料の準備=平貼りの材料となるクロスを所定の寸法に裁つ。 (板紙左右寸法-平の出寸法+折り返し幅=平クロス左右寸法)(板紙天地寸法+折り返し寸法=平紙天地寸法) 材料は必ず縦目裁ちにする。
    (g)張り紙(クロス)に糊を引き、見切り線に沿って表・裏交互に貼り、それを折り返して仕上げる。
  2. <コーネル付き表紙>
    コーネルの2等辺三角形となる部分の寸法は、背継ぎした平の出寸法と同じ幅に貼る。裁ち方は、 平の出寸法+掛け幅+折り返し幅×2=基本形。 この方式で正三角形にした寸法を算出してから、これを2倍して正方形の型を作って材料を裁ち、対角線上で二つ割りしてコーネル材料を作る。正方形から取った一組の材料は必ず片側の板紙に揃えて貼り、材質の色調を揃える。