東京オリ・パラ延期で企業の7割が業績悪化予想

コロナウイルスとイベント中止の2つの要因が企業負担に

 リスクモンスターは、東京オリンピック・パラリンピック中止決定を受けて、「東京オリンピック・パラリンピック延期の影響アンケート」を独自に行った。それによると、75.0%の企業が「自社の業績は変わらない」と回答しているが、サービス業を中心に21.1%の企業が「今後自社の業績は悪くなると思う」と回答した。
 なお、3月19日に発表した「第1回 新型コロナウイルスの影響アンケート」調査では、オリンピック延期の原因となった新型コロナウイルスの影響によって、約7割が業績の悪化を見込んでいる。
 業種別では、新型コロナウイルスの影響によって今後の業績悪化を見込んでいた業種が「小・卸売業」や「製造業」であったのに対し、オリンピック延期の影響が大きいと回答した業種は「サービス業」や、職業紹介・労働者派遣業や運輸業などを含む「その他」業種である。訪日外国人の増加等によるオリンピック特需を見込んでいた業種における影響が大きいことがうかがえる。
 東京オリンピック・パラリンピックが延期となったことで、特需を見込んで人員の増加や設備投資、商品開発などを実施していた企業にとって、資金的な負担が生じるほか、関連の倒産が発生する可能性も考えられる。コロナウイルスによる景況悪化によって予断を許さない状況が続いているだけに、リスク管理体制の更なる強化が必要な状況にある。
 こうした国際的な行事の中止・延期は、参加する選手だけでなく、開催にむけて準備を進めてきた様々な企業にとっても、影響が及ぶことがわかる。グローバル社会になるほど、好景気が世界にも影響する反面、悪い状況も世界規模に広がっていく。こうした事態の想定は難しいが、人も企業も柔軟な思考と行動を起こせるかが、その後を左右することになりそうだ。

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