経産省・環境省と連携して取り組み進める

産業界のイノベーションで世界に貢献へ

 世界的に海に廃棄される海洋プラスチックごみ問題が浮上し、プラスチックのリサイクルや削減、あるいはプラスチック素材からの転換などへの注目が集まっている。印刷産業においても、容器包装で利用されてきたプラスチックの動向が注目されている。
 日本印刷産業連合会では、8月22日、「印刷業界の『容器包装リサイクル法への対応状況』に関する報告会」を開催した。報告会には、経済産業省の産業技術環境局および環境省の環境再生・資源循環局から担当者が登壇し、プラスチック資源循環に関する現状と取り組みを報告した。
 両省が口をあわせて語ったのは、海洋プラスチックごみ問題が注目されても、「プラスチック=悪」ではないということ。プラスチックも素材として最適なものがあり、経済として成り立つような取り組みが必要であるとした。
 また世界的にも、海洋プラスチックごみの流出は、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、スリランカという順に多いのが現状である。そこで今年8月に開催されたG7ビアリッツ・サミットでは、先進7カ国だけがプラスチック削減の取り組みをするのではなく、東南アジア地域など広い地域を巻き込んだ取り組みが必要であることが確認された。
 経産省では、海洋汚染問題の解決の大前提はごみの適切な回収・処分であり、海洋流出するリスクに対して新素材の開発などのイノベーションによる解決で貢献していくことが必要であるとしている。このイノベーションの開発こそ、産業界が世界に貢献できる分野であるとしている。
 なお、海洋プラスチックごみ削減に向けたイノベーションを加速化する交流の場として関係事業者の連携を強化する「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」が設立されている。

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