働き方改革への取り組み意識高く
取り組まない理由は「効果が期待できない」「人手不足」など
今年4月1日から「働き方改革関連法案」が施行された(大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から対象)。働き方改革への取り組みは、人材の採用や定着、育成とともに、投資やイノベーション等による生産性向上に向け、今後さらに重要になっていくと考えられている。帝国データバンクでは、働き方改革に対する企業の取り組み状況や見解を調査した。
働き方改革への取り組み状況は、「取り組んでいる」37.5%と、「現在は取り組んでいないが、今後取り組む予定」25.6%を合わせると、63.1%が取り組みに前向きだった。一方、「以前取り組んでいたが、現在は取り組んでいない」2.6%、「取り組む予定はない」は15.1%。
働き方改革への取り組みで最も重視する目的は、「従業員のモチベーション向上」25.6%でトップ。次いで「人材の定着」19.8%、「生産性向上」15.9%、「従業員の心身の健康(健康経営)」15.4%、「円滑な人材採用」8.9%と続く。
取り組みの具体的内容は、労務・人事面に該当する「長時間労働の是正」が79.8%で最も高い。続いて「休日取得の推進」61.8%、「人材育成」56.3%だった。効果のある内容は、労務・人事面では「長時間労働の是正」30.3%、業務改善(生産性向上)では「業務の合理化や効率化のためのIT・機器・システムの導入」21.5%、経営・事業では「従業員の理解を得ること」22.2%という結果だった。
今後、新たに取り組む予定の項目は、「休日取得の推進」24.8%が最も高く、「人事評価制度・賃金制度の変更、改善」23.9%、「多様な人材の採用・登用」21.2%と続く。一方、取り組んでいない理由は、「必要性を感じない」37.6%が最も高い。以下、「効果を期待できない」34.1%、「人手不足や業務多忙のため、手が回らない」29.4%という内容で、制度に伴う支援策が必要であることも伺える。