IT人材の需給ギャップは2025年に36万人、2030年に45万人
AI人材については、2025年に8.8万人、2030年に12.4万人のギャップ
経産省はこのほど、「IT人材需給に関する調査」を発表した。調査では、2018年から2030年の期間における、IT人材全体数の需要・供給、Reスキルによる従来型IT人材及び先端IT人材の構成変化、AI人材の需要・供給の3点を試算した。
IT人材について、需要の伸びを年平均2.7%程度、労働生産性が年0.7%上昇することを前提とし、その需給ギャップを試算したところ、2018年が22万人、2020年が30万人、2025年が36万人、2030年が45万人の不足となった。
次に、IT関連市場を「従来型ITサービス市場」と、IoT及びAIを活用した「先端ITサービス市場」に2分した上で、Reスキル率のパターンとして、IT人材の転換が「市場の構造変化に対応できる場合(2~6%)」、「あまり対応できない場合(2%)」、「対応できない場合(1%)」の3つの需給ギャップの推移を試算したところ、「対応できる場合」の「従来型IT人材」は18万人、「先端IT人材」は27万人。「対応できない場合」の「従来型IT人材」はマイナス10万人、「先端IT人材」は55万人となった。(マイナスは供給が需要を上回った場合とする。)
最後に、AIを実現する数理モデルについての研究者やAI機能を搭載したソフトウェアやシステムの開発者、AIを活用した製品・サービスの企画・販売者を「AI人材」として定義し、その需給及び需給ギャップを試算した。
その結果、AI人材の需要と供給について、AI人材の生産性が0.7%上昇し、かつ、AI需要の伸びが「平均」の場合は、2025年には8.8万人、2030年には12.4万人の需給ギャップが生じる。また、AI需要の伸びが「低位」の場合、2018年の3.4万人から需給ギャップは徐々に減少し、2025年には2.7万人、2030年には1.2万人まで緩和するとしている。