企業の62.3%が設備投資を計画
投資内容は「設備の代替」がトップ、予定額は平均1億3,554万円
設備投資の動向は、生産性向上に向けた省力化・自動化需要などがプラス材料となる一方、海外経済の減速など先行きへの不透明感が高まり、悪影響を受ける可能性が懸念される。そこで、帝国データバンクは、2019年度の設備投資計画などに関する企業の見解について調査を実施した。
2019年度に設備投資を行う予定(計画)が「ある」企業は62.3%。規模別では、「大企業」(71.1%)が7割を超えている一方、「中小企業」(60.1%)、「小規模企業」(48.6%)と規模による差が大きくなった。業界別では、「運輸・倉庫」(76.6%)が最も高く、「農・林・水産」(76.1%)、「製造」(72.5%)の順に高い。また、「予定していない」企業は29.6%だった。
設備投資の内容(複数回答)では、「設備の代替」(45.5%)が約半数を占め、次いで「既存設備の維持・補修」(33.3%)、「省力化・合理化」(28.7%)、「情報化(IT化)関連」(28.6%)、「増産・販売力増強(国内向け)」(21.9%)と続いた。
設備投資にかける費用では、「1,000万円以上5,000万円未満」(26.9%)がトップだったが、平均設備投資予定額は約1億3,554万円となった。資金調達方法は「自己資金」(48.4%)が約半数で最も多く、「金融機関からの長期の借り入れ」(27.9%)、「金融機関からの短期の借り入れ」(6.3%)の順だった。
設備投資を行わない企業もあり、その理由は、1位が「先行きが見通せない」(44.4%)、次いで「現状で設備は適正水準である」(33.2%)、「投資に見合う収益を確保できない」(20.7%)と続く。特に中小企業は、「借り入れ負担が大きい」や「手持ち現金が少ない」が大企業と比較して高く、中小企業を取り巻く経営環境の厳しさを表す結果となった。