2019年世界の支出額が約138億ドル
クリエイターの3Dプリンター活用に期待
“3Dモデリング”を一つのキーワードにデジタルツールを活用した作品を制作するクリエイター達のコミュニティ「ウルトラモデラーズ」が、昨年11月23日から25日まで、大阪・日本橋ボークスで行われた。また今年3月15日には、東京・品川のミマキエンジニアリングJPデモセンターでフルカラー3Dプリント作品の展示会を開催した。
会場には10人のクリエイターがデザインし、ホタルコーポレーションがミマキエンジニアリングのUV硬化インクジェット方式3Dプリンター「3DUJ-553」で製作した作品を展示。3Dプリンターでしか表現できないクリエイティブの新たな領域を切り拓いた。
印刷業界では、品質の高いものを作ろうとするとハードが高価で、また1点当たりの出力時間が長く、生産性の面から損益分岐点を超えることが難しいため、一部を除き、ビジネスとして成立させることを断念した企業も多かった。
しかし、IT専門調査会社IDC Japanが発表した世界全体の3Dプリンティング市場の支出額予測によると、2019年全世界の3Dプリンティング(ハードウェア、造形材料、ソフトウェア、サービス)の支出額が前年比21.2%増、約138億ドルに達するとしている。さらに、5年間の年間平均成長率(CAGR)を19.1%、2022年に支出額が全世界で約227億ドルとなると予測する。
3Dプリントで作った寿司も話題になっている。客の健康診断を事前に行い、その人に必要な栄養素を含んだ寿司型キューブを食用品に対応した3Dプリンターで作り出すというものだ。
3Dプリンティングの主なユースケースは、プロトタイプ、補修用パーツ、新製品用パーツだが、クリエイター達が使う3Dプリンターには未知の可能性を感じさせる。