新聞販売所、ピークから3割強減
宅配サービスなど新たなビジネス模索
一般社団法人日本新聞協会によると、2018年10月1日時点の新聞販売所数は1万5,802ヶ所で前年比3.5%減だった。新聞販売所数は2万3,765ヶ所をピークに右肩下がりで減少。2009年に2万を割ってから急速に減っている。
その原因が新聞発行部数の減少にあるのは言うまでもない。2018年の発行部数は3,990万1,576部で前年比5.3%減。5,370万8,831部が発行された2000年比で25%以上も少なくなった。新聞配達所の収益は配達エリア内の定期購読者の密度と直結する。新聞以外の収益源である折込チラシの売上も定期購読者数に左右され、新聞の部数減少は存続にかかわる問題だ。
2018年の一世帯当たりの新聞発行部数は0.70部。2008年に1.00部を割って以降、新聞を定期購読しない世帯が増えている。新聞は、新聞販売所以外にも駅やコンビニでも販売されているため、一世帯当たりの定期購読部数の実数は0.70部よりもさらに低い。
新聞市場の縮小は新聞販売所だけの問題ではない。発行の大元である新聞社の売上も2017年が1兆7,122億円で、2004年の2兆3,797億円から28%もマイナスとなった。2018年の新聞用紙の国内需要は260万9,048トンで前年比6.1%と過去10年間で最大の下げ幅だ。2018年の新聞配達所の従業員も4.8%減の28万6,384人。30万人を下回るのは1963年の調査開始以来初めてで、ピークの1996年の48万3,286人に比べて40.7%減少した。
新鮮な情報が詰まった新聞を届ける新聞販売所はデジタルメディアの台頭による情報流通の多様化により、その存在感が失われつつある。一方、新聞販売所には独自の販売網と購読者のリストという強みもある。週刊誌や書籍、食品の販売・宅配などそのネットワークを活用した新しいビジネスモデルを模索し、環境の激変に対応しようとする新聞販売所もある。