業界の動き【2019年02月】
オフセット用印刷インキ価格改定 ◆DICグラフィックス
DICグラフィックスは、来年2月1日出荷分から、商業オフ輪インキ、油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキの価格を改定する。改定幅は、商業オフ輪インキが50円/kg、油性枚葉インキが60円/kg、UVインキが150円/kg、新聞インキ60円/kg。今回の値上げについて同社は、オフセット用印刷インキの主原料である顔料、樹脂、光重合開始剤等の多くを中国のメーカーから調達しているが、中国で昨年の環境規制強化により生産プラントが操業停止に追い込まれていることを背景に、全世界規模で需給バランスが崩れ、これら原料の価格が続騰していることに加えて、国内の輸送費や荷役費などの物流コストが、人手不足による賃金上昇や燃料高騰、行政指導による運賃適正化もあり、過去に例を見ない水準となっていることから、今後の事業継続および安定供給のために、価格改定を決定したと説明している。
オフセットインキを値上げ ◆サカタインクス
サカタインクスは来年2月1日出荷分から、オフセットインキ製品(油性、UV硬化型)の価格を改定する。改定幅はオフセット枚葉インキが40~80円/㎏、オフセット輪転インキが30~60円/㎏、UV硬化型インキが100~170円/㎏。(特色、中間色を含む)
渋谷のTSUTAYAで企画展を開催 ◆造本装幀コンクール実行委員会
SHIBUYA TSUTAYAと造本装幀コンクール実行委員会の共催による「造本装幀コンクール×SHIBUYA TSUTAYA 企画展示」会が、1月14日から2月10日まで、東京都渋谷区のSHIBUYA TSUTAY(蔦屋書店)の6階BOOKフロア内で行われる。同企画展は、国内外を問わず、若者を中心とした幅広いビジターにブックデザインや本の魅力、新たなコンテンツの面白さを広く発信することを目的に開催される。造本装幀コンクールの企画展が蔦屋書店で行われるのは初めて。企画展では、第52回造本装幀コンクールの受賞作品を中心に、過去の受賞作品やドイツ・ライプチヒで毎年開催されている「世界で最も美しい本コンクール」で受賞した作品も展示される予定。
印刷用紙値上げに対し要望書提出 ◆全印工連・日紙商
製紙メーカー各社が来年1月1日出荷分からの印刷・情報用紙の一斉値上げの発表を受け、全日本印刷工業組合連合会と日本洋紙板紙卸商業組合は、初めて連名で要望書を作成し、主要製紙メーカーならびに主要代理店に提出した。全印工連としては、製紙メーカーの窮状に一定の理解を示す一方で、実行性を伴った価格改定が必要との認識から、値上げ分の価格転嫁と適正な印刷価格での取り引きが重要になると強調。その実現には社会全体で紙の値上げが印刷に及ぼす影響を広く周知し、機運を醸成する必要がある。そこで、今回の要望書は値上げ反対を訴えるものではなく、新しい時代にふさわしい経営環境の確立に向けた道を一致協力しながら切り拓く関連産業界であるという意識を共有した上で、今回の価格改定を実行性のあるものとするため、積極的に一般紙などを通じて、印刷、紙流通業界、そして、エンドユーザーなど、社会全体に明確で分かりやすい説明責任を果たすことを求めている。
日本の労働生産性は20位 ◆日本生産性本部
日本生産性本部は、「労働生産性の国際比較 2018」を発表している。これは、OECD(経済協力開発機構)データベース等をもとに毎年分析・検証し、公表しているもの。それによると、日本の時間当たり労働生産性は47.5ドル(4,733円)で、OECD加盟36カ国中20位だった。名目ベースでは、前年から1.4%上昇したが、順位は変わらなかった。就業者1人当たりでみた労働生産性は8万4,027ドル(837万円)、OECD加盟36カ国中21位となっていた。2017年における日本の1人当たり労働生産性(就業者1人当たり付加価値)は、順位でみるとOECD加盟36カ国中21位という結果だった。
海洋プラ廃棄物問題に対応 ◆日印産連
日本印刷産業連合会は、経済産業省主導のもと設立した「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」に入会した。CLOMAは、159の企業・団体が参加して設立。地球環境の新たな課題である海洋プラスチックごみ問題解決に向け、プラスチック製品のより持続可能な使用並びにプラスチック廃棄物の削減につながる革新的な代替品の開発および導入普及を図るため、業界の垣根を越えて経済界全体としての活動を企画・推進し、官民一体となって素材を通じた持続可能な発展を推進する母体となることを目的としている。海洋プラスチックごみを削減するために、ポイ捨て防止の徹底をはじめとする廃棄物の適正管理に加え、プラスチック製品の3Rの取り組みによる一層の強化や、生分解性に優れたプラスチック、紙等の代替え素材の開発と普及の促進などへの対応が求められている。
もの補助事前予告を発表 ◆中小企業庁
中小企業庁は平成30年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上支援事業」に係る事務局の募集に合わせて、中小企業・小規模事業者が行う革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善のための設備投資等の一部を補助する事業について事前予告を行った。実施事務局を決定し、平成30年度補正予算成立後、すぐに実施をする予定。次回のものづくり補助金は、事業者の事業実施期間を可能な限り長く確保する観点から、約2ヵ月の公募期間を設けるほか、早期に公募を締め切って審査し、採択を発表(可能ならば年度内に)する方向で検討している。また、夏以降の2次公募も予定している。
編集者育成プログラムを新設 ◆東京デザインプレックス研究所
大人のためのデザイン専門校、東京デザインプレックス研究所は、次世代の編集者育成のためのプログラム「デジタルパブリッシング専攻」を新設する。メディア・コンテンツ業界の変革に対応できる編集者を育成するため、編集・ライティングのカリキュラムに加え、デジタルスキルやデザインスキルのカリキュラムを強化している。デジタルパブリッシング専攻の特長は、①企画・取材・ライティング・編集・校正を基礎から実践レベルまで学ぶ、②デザインスキル(写真、タイポグラフィー、カラー、レイアウトなど)を学び、ヴィジュアル表現に強い編集者を目指す、③デジタルスキル(Illustrator・Photoshop・InDesign 操作、DTPディレクション、Webコンテンツマーケティング)を習得できる、など。
保険ポータルを開設 ◆全国印刷工業健康保険組合
全国印刷工業健康保険組合は、組合員の健康管理を支援する専用サイト「印刷健保 保険ポータル」を開設した。同サイトでは、健診結果や健康ポイント、健康コラムなどが閲覧できる。健診結果をもとに、注意すべき病気の情報が確認でき、疾病リスクのある病気については赤く表示されるなど、病気の説明や疾病の予防改善につなげる内容が配信される。加えて、ウォーキングなど日々の健康づくりでポイントがたまる健康ポイントプログラムを利用して、ポイントが貯まると、好きな商品と交換できるようになっている。同サイトはパソコンからだけでなく、スマートフォンなどからも閲覧可能なので、出張先などでもいつでも自分の健康管理ができる。同サイト利用には、IDおよびパスワードが必要。すでに昨年末に組合員に対して圧着ハガキで事業所宛てに発送されている。
広告取引に関する広告主実態調査 ◆有限責任監査法人トーマツ
有限責任監査法人トーマツは、広告活動を行っている上場企業(105社)を対象とした「広告取引に関する広告主実態調査」について発表している。それによると、半数以上の企業がデジタル広告の利用拡大を重要視している一方、課題に感じている部分もあり、デジタル広告不正に対する知識および取り組みも十分ではない状況であることが判った。同時に、9割を超える企業が「何かしらの取り組みが必要」と、マーケティング取引における透明性に課題を感じているが、広告・メディア取引の社内ルールやガイドラインを設定している企業は半数にしか満たないことも判明した。広告戦略上の重要項目について質問したところ、74.3%の企業が「ブランド価値の向上」、50%を超える企業が、「デジタル媒体の利用拡大」および「ブランド評判の確立」を回答した。
BPO市場規模は前年比103.2% ◆矢野経済研究所
矢野経済研究所は、国内のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。BPO市場は、IT系BPOと非IT系BPOに大きく分けられ、2018年度のIT系BPO市場規模は前年度比103.2%の2兆4,478億円、非IT系BPO市場規模(同ベース)は同101.4%の1兆7,274億円の見込み。内訳では、IT系BPO市場は安定的に成長。その理由として、企業の扱うデータ量が年々増加し、台数が増えたサーバーをデータセンターに預ける企業が増加傾向にあることや、間接部門である情報システム部門の要員を削減する企業が増加し、そのような企業がデータセンターを活用した運用アウトソーシングサービスの利用を増やしていることなどが挙げられている。一方、非IT系BPO市場については、人材不足が深刻化し、その対応として外部リソースを活用する企業が増加し、外資系企業の日本市場参入に伴いアウトソーシング需要が増加。加えて、2018年4月から適用される有期労働契約を対象とした無期転換ルール等の影響によりBPOサービスに切り替える企業が増えていることなどから、微増ながらも堅調に成長している。