デジタルトランスフォーメーションへのガイドライン

企業力を向上するツールとして期待

 経済産業省は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)を取りまとめた。2018年9月に公表した「DXレポート」における提言を基に、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で経営者が抑えるべき事項を明確にし、取締役会や株主がDXの取組をチェックする上で活用できるものにすることを目的につくられたもの。
 DX推進ガイドラインは、①DX推進のための経営のあり方、仕組みと、②DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築の2つから構成されている。①では、「経営戦略・ビジョンの提示」「経営トップのコミットメント」「DX推進のための体制整備」「投資等の意思決定のあり方」「DXにより実現すべきもの:スピーディーな変化への対応力」の5つの項目が挙げられている。②においては、「1 体性・仕組み」と「2 実行プロセス」の2つがあり、より具体的に提示。「1 体性・仕組み」では、全社的なITシステムの構築のための体制」「全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス」「事業部門のオーナーシップと要件定義能力」を、「2 実行プロセス」では「IT資産の分析・評価」「IT資産の仕分けとプランニング」「刷新後のITシステム:変化への追従力」から成る。
 経済産業省では各企業におけるDXの活用促進を図るだけでなく、他の関連施策との連携も進めていくとしている。同日に発表した「攻めのIT経営銘柄2019」では、同ガイドラインの観点を踏まえた選定も行っていくとされている。DXを進めることは、業務の最適化や顧客接点の強化、企業力の向上、製品の改革など様々な視点での改善と向上が期待されている。デジタルトランスフォーメーションは企業向上のためのツールとしての活用を考える時にある。

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