情報端末利用の個人化進み、ネットショッピング拡大

店頭販売の役割は依然として重要

 野村総合研究所(NRI)は、2018年7~8月にかけて、全国15歳~79歳の男女計1万人を対象にした「生活者1万人アンケート調査」を実施し、その結果をまとめている。1997年以降3年に1回実施しており、今回が8回目となる。
 同調査では、スマートフォンによる情報収集の伸長により、マス媒体の情報収集が減少。ユーザーの口コミが重要な時代になり、収入の見通しはやや好転し、景気の先行きについては様子見の動きが強まっているといった傾向がみられた。インターネットショッピングの利用は若年層を中心に継続して拡大し、全体の消費スタイルも引き続き「利便性重視」で、共働き世帯は「プレミアム志向」が微増していると報告している。
 スマートフォンの個人保有率については、2012年の23%から2015年の52%、2018年には7%へと増加。仕事以外の平日のインターネット利用時間については、この3年間で103分から119分へと増加する一方、テレビの視聴時間は若年層を中心に減少し、全体で151分から145分に減少した。
 家庭内においては、夫婦や家族間で干渉しない個人志向が強まり、家族が時間・空間を共有する「お茶の間」が消失。それぞれが自分の情報端末に向かって時間を過ごす「背中合わせの家族」が増加する傾向がうかがえる。
 インターネットショッピングの利用率や年間平均利用回数は、大きく伸長。消費の際の情報源としては、「テレビのコマーシャル」「ラジオ、新聞、雑誌の広告」などが2012年と比べて減少し、「ネット上の売れ筋情報」「評価サイトやブログ」といったネット情報の参照度が伸びている。
 ネットでの購買が進む一方で、「AV機器・情報家電」などは店舗ネット・併用が43%で、店舗での役割は依然として重要であると報告している。

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