紙代替の新素材LIMEX
生産拡大でDNP、凸版印刷などが出資
石灰石を主原料に、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や、石油由来原料の使用量を抑え、プラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBMはこのほど、伊藤忠商事、ゴールドマン・サックス、新生企業投資、大日本印刷、ディップ、凸版印刷、フランスベッドホールディングス、三菱鉛筆に対して第三者割当増資を実施した。今回の増資により、総額31.2億円の資金を調達。資金を活用し、国内における生産量拡大および商品競争力強化のための量産工場(多賀城工場、2020年竣工予定)の立ち上げ、海外での事業展開加速のためのマーケティングや人材採用及び研究開発、共同開発に対する積極的な投資を行う。
また割当先の事業会社各社と連携することでシナジーを創出し、LIMEX製品の共同開発やマーケティング、並びに海外展開における連携を図る。LIMEXのコア技術を保有する同社と、関連領域で豊富な知見や開発・販売リソースを有する大手事業会社が連携することで、LIMEXの加速度的な成長を実現していく。
LIMEXは炭酸カルシウムを50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料で、日本発の新素材となる。紙は通常、普通紙1トン生産する場合、樹木を約20本、水を約100トン使う。LIMEXは原料に木や水を使用せず、石灰石0.6~0.8トンとポリオレフィン約0.2~0.4トンから紙代替製品(LIMEXシート)1トンを生産可能。使用済みのLIMEXを廃棄する場合は可燃ごみ扱いとなる。
プラスチックの代替としては、従来の原料が石油由来樹脂100%なのに対し、LIMEXは主原料が石灰石で、石油由来樹脂の使用量を大きく削減する。
石灰石の埋蔵量は日本でも100%自給自足できるレベルで、世界各地を見ても豊富にある。