年賀葉書の発行枚数前年比9.4%減
減少が止まらず、一方でLINE年賀は好評
11月1日、日本郵便から2019(平成31)年用年賀葉書が発売される。印刷業界にとって年賀状シーズンのスタートとなる。
2019年の年賀葉書の当初発行枚数は25億8,600万8,000枚で、前年の28億5,329万6,000枚に比べ9.4 %減少した。このうち単面が3億6,080万枚、四面連刷が4億9,200万枚となっている。
2019年の年賀葉書の特徴は『東京2020大会[寄附金付]年賀葉書』の発行。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会にちなんだ寄附金付年賀葉書を3種類発行する。今年7月22日(日)にデビューした公式マスコットをあしらったデザインとなっている。また、『寄附金付絵入り年賀葉書(地方版及び全国版)』を発行する。地方版は一部の地域限定で、地域の公式マスコットキャラクターなどが描かれた19種類がラインアップされる。このほか、引き続き『キャラクターの年賀葉書』も発行する。
年賀葉書は44億枚以上を発行していた2003年に比べ、43%の減少となっている。2018年年賀葉書は、一昨年に一般の葉書が52円から62円に値上げされたものの、値段が据え置かれたが、2019年からは62円に上がる。従来も値上げ時に大きく販売枚数を下げており、今回も同様の減少が起こることが予想されている。
一方で、2016年からはコミュニケーションアプリ『LINE』と連携した年賀状送信サービスを提供している。今回も希望した日時に、指定した人に申し込んだ年賀葉書を送るもので、スマートフォンから写真をアップロードすると、約1,000通り以上のデザインを使って年賀状を作成することができる。サービスは好評で徐々に利用者が増えているという。
コミュニケーションの手段が大きく変化した現在、年賀状の送り方、制作方法も変わっていくのかもしれない。