2017年度の国内AIビジネス市場規模は2,568億円
導入率は4.4%に拡大、金融と情報通信が先行
MM総研は国内企業での活用についての調査「企業の人工知能(AI)導入実態調査」の結果を発表した。同調査は、国内企業における人工知能の導入状況や導入、あるいは検討している業種・サービスおよびその効果など、AI技術のビジネス活用状況について調べたもの。2017年度(2017年4月~2018年3月)の国内AIビジネス市場規模は2,568億円となった。
2018年度には2,736億円(前年比6.5%増加)になる見通しで、その後も年平均成長率7.6%で拡大を続け、2022年度には3,437億円に達すると予測している。なお、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、2020年度までのIT設備投資は順調に拡大するものの、予定される消費税増税の影響で2021年度から成長は鈍化する見込み。
2018年9月時点でAI技術をビジネスに導入している企業は921社(4.4%)で、2017年6月時点(1.8%)から2.6ポイント増加した。導入を検討している企業は20.1%で2.2ポイント増加している。業種別導入率を見ると、金融12.2%、情報通信10.0%で、この2業種が先行して導入していることが分かった。次いで、エネルギーインフラ企業が6.0%、製造業5.8%、サービス業5.0%と続く。
AIソリューションをサービスなどに活用または活用検討している企業に、「最も利用している」または「最も利用したい」AIソリューションを聞くと、最も多かったのが「需要予測や予兆分析などのデータ分析サービス」(13.8%)。人工知能の利用方法としては最もスタンダードなニーズが色濃く出た結果と言える。次いで、「大量の文書データからセンテンスを抽出してくれるサービス」(8.6%)、「機械や部品の故障予測サービス」(8.4%)と続いた。この数字からも導入しやすいAI技術の普及が伺える。