企業の動き【2018年10月】
NISSHA、東京地区の部門を譲渡 ◆共同印刷
共同印刷は、NISSHAおよびその子会社で情報コミュニケーション事業を担当する日本写真印刷コミュニケーションズの3社間で、日本写真印刷コミュニケーションズが東京地区で展開する事業(一部を除く東京地区の商圏およびその事業基盤)の譲渡に関して合意した。共同印刷は情報コミュニケーション部門の収益基盤を強化すること、日本写真印刷コミュニケーションズは東京地区の事業を縮小し、同社の強みである高精細で高品位な色調再現が活かせる分野を中心として関西地区に事業基盤を集約することを基本方針としている。両社はそれぞれの強みを活かせる市場・事業領域へ経営資源を適切に配分することで、事業収益の改善を目指す。
MA連動「DM自動発送サービス」を開始 ◆凸版印刷
凸版印刷は、E-mailやSNSでのコミュニケーションなどマーケティング活動の自動化を実現することができる、Salesforce Marketing Cloudなどのマーケティングオートメーション(MA)ツールの運用業務を展開している。MAツールの運用業務を受託している中で、E-mailやSNSなどデジタルのコミュニケーションに加えて、DMなどのプリントメディアもデジタルと同様に連動させてマーケティングを自動化したいという要望が多いことから、今回、MAツールとオンデマンド印刷工程を関連した、マーケティングオートメーション連動型DM自動発送サービスを開発。デジタルコミュニケーションとプリントメディアを連動させたデジタルマーケティングPDCAの実現を可能とする新サービスとして提供していく。
働き方改革・生産性改革を推進 ◆富士特殊紙業
食品パッケージの印刷・加工を手がける富士特殊紙業は「働きやすい職場環境づくり」に向けた先進的な取り組みを進め成長を続ける企業として、8月30日、安倍晋三首相の視察訪問を受けた。杉山仁朗会長、杉山真一郎社長が社内を案内し、同社が富士フイルムとの共同プロジェクトで開発した水性グラビア印刷技術やデジタルグラビア印刷機『FUJI・M・O®』、さらに福利厚生制度などについて説明した。富士特殊紙業は、地球環境問題、労働環境問題を改善し、包装する食品の安全を図るため、業界で初めて脱溶剤を掲げ「水性グラビア印刷技術」を開発し、実用化に成功。2015年には、富士フイルムとの共同プロジェクトによりデジタルグラビア印刷機『FUJI・M・O®』(フジモ)を開発。また、かねてから推進していた働き方改革や、女性や高齢者が活躍できる職場環境づくりにも「水性グラビア印刷技術」や『FUJI・M・O®』が大きく貢献しているとして、今回の視察につながった。
VR空間で作品を間近で鑑賞 ◆大日本印刷
大日本印刷(DNP)は、ヘッドマウントディスプレーを装着して、VR(Virtual Reality:仮想現実)の空間に作られた仮想の美術館で、彫刻などの立体作品や絵画を手に取っているかのように鑑賞できるシステム「DNP Virtual Gallery(バーチャルギャラリー)」を開発した。同システムは、動画や360度鑑賞できるパノラマVRに加え、鑑賞者がVR空間で気に入った絵画などの複製を購入できる機能も搭載。DNPバーチャルギャラリーのVR空間では作品を実際に手に取っているかのように間近で鑑賞でき、ディテールも含めて楽しむことが可能。ギャラリー内では彫刻などの立体物、動画やパノラマVRなども楽しむことができるようになっている。
018トレーニングイヤーがスタート ◆ハイデルベルグ
ハイデルベルグにおいて「トレーニングイヤー」が、9月1日、スタートした。これにより99名の若い男女がハイデルベルグの4つの施設でトレーニングもしくはデュアル・スタディコースをスタートする。なお、ハイデルベルグでは、再度アプリケーション開発のITスペシャリストをトレーニングしていくことを決定。デュアル・スタディコースも「ITビジネス」、「デジタルメディア」、「国際ビジネス」にフォーカスする。この背景には、ハイデルベルグで進行しているデジタリゼーションにより、システムにおける社内および世界でのネットワーキング、国際的な協力、デジタルビジネスモデルの開発がますます重要性を増していることが反映されている。
多言語統一デザインを提供開始 ◆ダイナコムウェア
フォントの開発および関連製品の開発・販売・保守を行うダイナコムウェアは、ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart V」「DynaSmart V NOW!」「Dyna Smart教育機関向けプラン」「Dyna Smart学生版」の契約ユーザーに、多言語統一デザインによるグローバルフォント「金剛黒体」の多言語90書体の提供を開始した。提供する「金剛黒体」多言語は、「簡体字中国語GB2312」「簡体字中国語GB18030」「繁体字中国語」「韓国語」「ラテン語」「ベトナム語」「タイ語」「タイ語(モダンタイプ)」「ビルマ語」「ヒンディー語」「ヘブライ語」「アラビア語」「ベンガル語」「シンハラ語」「タミル語」による15種類6ウェイトで、合計90書体となる。日本語書体の金剛黒体StdN版、Pro6版、Pro6N版18書体を加えると、合計108書体となる。
「マグネット王国』の楽しさ伝える ◆アーリークロス
オリジナルふせん紙が作れる『激安 ふせん紙王国』など様々な販促グッズ向けWeb通販サイトを運営しているアーリークロスは、9月4日から7日まで開催していたプレミアムインセンティブショー(以下、PIショー)に出展し、新たにオープンした『激安マグネット王国』(https://www.ee-magnet.com)を紹介した。会場では、様々なオリジナルグッズ制作の見本を並べて提案した。『激安マグネット王国』は、鉄板のお土産グッズとして人気の高い“マグネット”でオリジナル販促品が制作できるWeb通販サイト。現在、同サイトでは、マグネットシート、プラスチックタイプ、アクリルマグネットの3つのメニューで展開。なかでもアクリルマグネットは、印刷面となる透明マグネットと、マグネット部のシートを張り合わせたタイプで、アクリル素材なので耐水性はもちろんのこと、表現力の高いデザインに適している。
新村印刷を子会社化 ◆光村印刷
村印刷は9月10日の取締役会で、新村印刷の全株式を取得し、子会社化することを決定した。光村印刷は、印刷事業を中核に電子部品製造事業など、印刷技術をベースに事業領域を拡大してきた。近年は印刷業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、持続的な成長に向け事業領域拡大を目指している。一方、新村印刷は、商業印刷から包装・パッケージ、証券印刷、出版物・地図を柱に、印刷事業を展開。特に包装・パッケージ分野では高品質な製品を生産し、豊富な取引実績と一定数のシェアを有している。今回の子会社化で新分野進出と既存事業とのシナジーを生み出し、さらなる成長の実現を図る。株式譲渡予定日は10月1日となっている。
アルバム出版の遠藤写真工芸所を買収 ◆石田大成社
石田大成社は、学校アルバム出版・印刷の老舗企業である遠藤写真工芸所を、10月1日付で買収することを発表した。遠藤写真工芸所をグループ化(ITPグループ)することで写真印刷事業を拡充していく。遠藤写真工芸所を完全子会社化は、アルバム出版事業・商業印刷事業の市場拡充を目指したもの。メリットとして、①ITPグループでは担当していないアルバム出版事業における長年培ったノウハウと一貫生産体制で、ITPグループの事業範囲を拡大する、②滋賀県をはじめとした全国の得意先を通じ、ITPグループ拠点との連携による拡大を図る、③滋賀工場(滋賀県草津市)に設けたアルバム製作ラインで、近畿圏内及び中部圏内のITPグループ内製化を図ると共に、首都圏でのITPグループ内製化を図る、の3つを挙げている。なお、草津市の印刷工場や全従業員80人も引き継がれる。
ECギフトショップをオープン ◆キンコーズ・ジャパン
オンデマンドによるプリント、ポスター印刷、3Dプリンティングサービス、デザインサービスを展開するキンコーズ・ジャパンは、9月19日、楽天が運営するインターネット・ショッピング「楽天市場」に『Kinko’s Gift 楽天市場店』をオープンし、ギフト商品をはじめWeb限定品なども揃えて営業を開始した。インターネットショッピングモール大手の「楽天市場」への出店は、キンコーズ初となるECギフトショップ。新たに「楽天市場」ユーザーに向け、キンコーズブランドのノウハウを活かし、パーソナルシーンで利用できる写真入れや名入れサービスを中心としたオリジナルギフト商品を展開する。コミュニケーションツールとしてのライフイベントギフトのニーズが増える中、「働く世代にとってのオンリーワン」をコンセプトに、「Kinko’s Gift 楽天市場店」で顧客のライフスタイルの中にもオンデマンドを提案していく。
「俳句の日めくりカレンダー」発売 ◆新日本カレンダー
新日本カレンダーは、同社が展開する「暦」に親しめる文具・雑貨ブランド「暦生活」から『俳句の日めくりカレンダー』を発売した。『俳句の日めくりカレンダー』は、一日一句、厳選した俳句に、季語の解説も添えた1年間楽しめる俳句の日めくりカレンダー。現代俳句協会特別顧問の宇多喜代子先生の監修のもと、季節の名句を365日分、選び抜いた句が掲載されている。江戸時代の芭蕉や蕪村の名句にはじまり、平成に活躍を始めた若い俳人の句までさまざま。毎日、その日の行事や季節に縁のある俳句が紹介されており、俳句を通して季節の移り変わりが感じられる内容になっている。
インドネシア印刷産業展を視察 ◆設楽印刷機材・印刷友和会
設楽印刷機材とユーザー会「印刷友和会」は、9月20日、インドネシアのジャカルタにあるジャカルタ国際展示場で開催中のメッセデュッセルドルフ・アジア主催「第10回インドネシア国際印刷産業展」(INDOPRINT2018:9月19日~22日)を視察した。成長するアジアの印刷産業の方向と機資材の動向の視察を目的に訪問したもの。会場では、主催社であるメッセデュッセルドルフ・アジア社長のGernot Ringline氏が出迎え、印刷友和会メンバーらと情報交換を行った。GernotRingline社長は「ASEANで最大の印刷市場を有するインドネシアは順調に市場が拡大している。日本の印刷産業との交流は今後のインドネシア印刷産業に貢献することになるだろう。設楽印刷機材と印刷友和会を心から歓迎する」と歓迎の言葉を述べた。
山車をモチーフにしたふせんを発売 ◆櫻井印刷所
埼玉県川越市の櫻井印刷所は、10月11日、川越まつりのメインイベントでもある「山車行事」で曳行される29台の山車をモチーフにした、オリジナル付箋「川越 山車ふせん」の発売を開始する。伝統ある川越まつりの最大の見所として、各町内の山車の曳行や提灯の明かりのもとで繰り広げられる「曳っかわせ」が知られている。特に、川越まつりで町を練り歩く山車の繊細な彫刻やきらびやかな刺繍の幕、それぞれの表情を魅せる人形には、目を見張るものがある。オリジナル付箋「川越 山車ふせん」は、川越まつりの主役である「山車」をかわいいイラストにして商品化したものとなっている。全29台の山車が揃っているので、観光のお土産として、また地元の人や川越ファンも集めたくなる商品となっている。なお櫻井印刷所では、大正時代の屋号を使ったオリジナルブランド『文星舎(ぶんせいしゃ)』を立ち上げた。今後、印刷や文字、紙に関するアイテムを発売していく。