メニューを決めるまでの気持ちの動きを科学的に解明
「興味度」「好き度」「ストレス」で気持ちを可視化
トッパン・フォームズ株式会社(トッパン・フォームズ)と慶應義塾大学満倉研究室(満倉)、株式会社サイゼリヤ(サイゼリヤ)は、視線計測装置および満倉が開発した簡易型脳波計を用いた感性計測装置「感性アナライザ」を使い、複数の選択肢からメニューを決定する際の生活者の視線や感性について、共同研究を行った。その結果から、「メニューを決めるまでの生活者の気持ちの動き」を科学的に明らかにした。
同研究の実験では、被験者に実際のメニューブックを見せながら、注文するメニューを選ばせ、その際の視線と感性を計測装置によって取得し、実験後にはインタビューを行った。実験はサイゼリヤの実店舗にて行われた。
研究ではまず、注文に至るまでの脳波を「興味度」「好き度」「ストレス」の感性に置き換えて可視化。さらにメニューブックを見ている際の視線の動きとインタビュー結果を組み合わせて分析することで、生活者の気持ちの動きという目には見えないものを、科学的に把握することに成功した。
共同研究成果をもとに、トッパン・フォームズは、生活者にとってより分かりやすく、事業者にとっても販売促進の効果を向上させるツールの制作に貢献すると共に、「感性分析サービス」を提供することにより、今後も生活者の感性や行動に焦点を当てたマーケティング支援を行っていく。
サイゼリヤでは生活者にとって分かりやすく、より注文しやすいメニューブック作りに繋げるという。
なお、満倉とトッパン・フォームズは、今回のように視線計測、感性計測、行動観察、インタビューなどを組み合わせて生活者の嗜好性を把握し、様々なコミュニケーションツールの評価と改善を行うための調査手法を確立し、特許出願を行っている。