2030年度DX市場は2兆3,687億円と予測

スマートファクトリーを中心とした製造業が牽引

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研は、社会のデジタル変革を牽引するデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連する設備投資状況や技術基盤の国内動向を調査し、その結果を「2018 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」にまとめている。それによると2030年度のDXの国内市場は、2017年度比4.2倍の2兆3,687億円と予測した。DXとは、AIやIoT、クラウドコンピューティングといった最先端のICT技術を活用し、ビジネスモデルの変革や新規ビジネスの創出を目指す取り組み。
 この調査では、製造、流通、金融、情報通信、医療・介護、交通・運輸、その他業種の業界別市場(投資金額)の現状などを調査している。
 その結果、製造市場は、スマートファクトリーやサービタイゼーション(モノのサービス化・アフターサービス)への投資が中心。金融市場は、AIやRPAの活用により業務効率化や省人化への取り組みが拡大している。流通市場は、店舗オペレーションを中心に業務効率化や新たな顧客価値創出に向けた取り組みが増えている。情報通信市場は、ICTインフラの運用監視やデータセンターのファシリティ監視などでの効率化を目的にDXへの投資が増えるとみられる。医療・介護市場は、患者や症例など様々な情報のデータ化・蓄積が進んでいる。交通・運輸市場は、セーフティドライブの分野で、ドライブレコーダーの映像データを活用した運転状況分析、ウェアラブルデバイスや車載カメラから乗務員の身体異常・精神障害を把握するシステムなどへの投資が進んでいる。その他業種の市場は、社会インフラ、農業、建設、観光・宿泊などを対象とするが、老朽化施設への対応や災害の監視などの社会インフラやドローン測量などが進む建設が伸びるとみられている。

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