1兆4,085億円で10%増に
中小企業対策は1,318億円要求
経済産業省が発表した平成31年度概算要求は1兆4,085億円で対前年度10%増となった。
重点政策は5つ。「データを核としたオープンイノベーションの推進によるSociety5.0の実現」、「新たな『ルールベース』の通商戦略」、「地域・中小企業の新たな発展モデルの構築」、「エネルギー転換等を通じた環境と成長の好循環」、「成長と分配を包括した新たな経済社会システム」となる。
特に「データを核としたオープンイノベーションの推進によるSociety5.0の実現」ではConnected Industriesの推進に249億円を求めている。自動走行・モビリティサービス、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安、スマートライフの重点分野でのデータ共有などの協調領域の拡大や、AIベンチャー等と連携したデータ活用・サービス開発を支援する。また、カリキュラム策定等を通じて各分野でのデータ活用のために必要となる人材育成をバックアップする。
中小企業対策では1,318億円を要求。「経営者の高齢化」、「人手不足」、「人口減少」という3つの構造変化に対し、①「事業承継・再編・統合等による新陳代謝の促進」、②「生産性向上・働き方改革・人手不足対策」、③「地域の稼ぐ力の強化・インバウンドの拡大」に重点的に取り組む。また、非常に大きな災害が頻発している状況を踏まえ、「災害からの復旧・復興、強靱化」にも注力する。このほか2019年10月の消費税率引き上げや、2020年4月の長時間労働規制、2021年4月の同一労働・同一賃金の中小企業への適用も見据え、「経営の下支え、事業環境の整備」にも言及している。
このうち「生産性向上・働き方改革・人手不足対策」の要求額は481億円。ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業は100億円の要求額となった。