企業の動き【2018年9月】

ご当地包装紙の商品拡充 ◆総北海

総北海(北海道旭川市)が運営する、北海道各市町村に特化したご当地包装紙を販売するオンラインショップ『わたしのまちの包み紙』(https://tsutsumigami.net/)の品揃えが8月で20商品を超えた。同サービスは、北海道内自治体及び団体の協力を得て、“我まち”ならではの特色を盛り込んだデザイン包装紙を取扱っている。ご当地キャラクターやまちの特色を取り入れたデザインの包装紙は、対外的な地域の訴求効果が見込まれる。「わたしのまちの包み紙」は、今後北海道179市町村全てのデザイン包装紙を販売できるよう、各市町村や団体と協力を進めていく。現在進行中のデザインは18件あり、評判を耳にした団体から「わたしのまちにも包み紙がほしい」という要望も寄せられている。

MRで設備導入シミュレーション ◆真生印刷

真生印刷はこのほど、デジタル総合印刷と、日本マイクロソフトのMR(複合現実)デバイス「HoloLens(ホロレンズ)」の技術を活用し、大型機械・設備の導入を効率化するアプリおよびサービス「MR設備導入シミュレーション」を開発した。真生印刷では小森コーポレーションの菊全判オフセット枚葉印刷機LITHRONE GX40の導入にあたり、同社から提供された設計データに基づき「MR設備導入シミュレーション」のアプリを活用。工場内に3Dで印刷機の導入イメージを投影し、機械導入に役立つシミュレーションを行った。

連結売上1,080億円目指す ◆共同印刷

静岡県袋井市と凸版印刷の「教科学習(授業)の効率化と協働学習による応用のサイクル」が、経済産業省の実施する『「未来の教室」実証事業』に採択され、2018年9月から実証を開始する。同実証事業では多様な子どもの集う公教育で、子どもたち一人ひとりの資質・能力に適応する学習プログラムを提供していく。

4つの成長領域獲得へ ◆凸版印刷

共同印刷は7月19日、東京都文京区小石川の本社で業界記者懇談会を開き、2020年度までの中期経営計画と2018年3月期の業績を発表した。中期経営計画では「強みの育成・拡大と事業基盤の改革に挑戦する」を経営方針に掲げ、2020年度に連結売上高1,080億円の達成を目指す。2019年3月期売上高は情報系事業における販促支援ソリューション、出版分野のプロモーション受注の拡大、川島ソリューションセンターのBPO受注の拡大により5.2%増の1,000億円を見込んでいる。

印刷業のシェアリングビジネス ◆グーフ

グーフは7月31日、IGAS2018会場のスマートファクトリーゾーンで、印刷業のシェアリングエコノミーを実現する『Director on Cloud』(D.o.C.)』を発表した。D.o.C.は印刷発注者のMAやCRMと、印刷会社の生産現場をクラウドで結ぶプラットフォーム。発注者のマーケティングオートメーションのシステムなどから印刷物が発生すると、過去実績や評価データを掛け合わせ、AI(人工知能)が最適な生産ロジックを計算し、複数の印刷会社に自動で印刷を発注する。印刷物が発生すると即座に発注者と印刷会社との間で契約が結ばれ、生産環境に応じてプリントファイルが生成されて印刷会社に送られる。仮に100万部のバリアブルDMを翌日納品する場合、AIが最適な印刷会社を選び出し、100社が1万部ずつ作るという遠隔地間印刷も可能にする。

DMステーションで用紙選択 ◆フジプラス

フジプラス(大阪市北区)は、インターネットから簡単に素早くハガキDMが注文できるWebサービス「DMステーション」に、新たに「用紙選択オプション」を追加した。ハガキタイプ、ロングハガキタイプ、A4ハガキタイプの3タイプにおいて、“紙”本来の温かみがあり優しい手触り感のある「ヴァンヌーボV・スノーホワイト235㎏」(1通当り+20円)、厚みのある「マット系カード紙 0.4㎜厚」(1通当り+10円)で選ぶことができる。

開設大感謝祭を開催中 ◆プリントパック

コニカミノルタジャパンは甲南堂印刷(兵庫県神戸市)と産業印刷分野で戦略的提携を結んだ。今回の提携により、コニカミノルタはデジタル印刷とデジタル加飾のノウハウを甲南堂印刷に提供する。甲南堂印刷はモトヤを通じて、同社の新デジタル印刷工場兼ショールームである「KONANDO Lab」にコニカミノルタの29インチ枚葉UVインクジェット印刷機「Accurio Jet KM-1」、デジタルUVスポットニスコーター「JETvarnish 3D」を導入し、事業領域の拡大を目指す。両社はマーケティング視点でプリントの付加価値を訴求する印刷物を共同企画・開発するほか、「KONANDO Lab」をショールームとして活用。両機のトライアルテスト等を実施、新機能・新製品開発を推進する。

伝統文様素材のDLサービス開始 ◆東洋美術印刷

東洋美術印刷(東京都千代田区)は、出典や意味など付帯情報と合わせて分類・集積された2,200点以上の伝統文様のデザイン素材データが検索・ダウンロードできる法人向けの文様データオンライン提供サービス「文様百趣アーカイブス」を開始した。訪日外国人旅行客の増加に伴い、日本の伝統文化を商品開発や広告活動で活用するシーンや、活用したいと思っている商品開発担当者やデザイナーが増えている。同社では保有している2,200点以上の伝統文様デザイン素材データを、用途に合わせて使用できるよう「文様百趣アーカイブス」のサービスを開始した。

情報をデザインする会社に ◆図書印刷

図書印刷は7月24日、東京都北区の本社で記者懇談会を開き、2025年度までの「中長期経営計画」の現状と今年度の業績を発表した。中長期経営計画では出版印刷・商業印刷を「情報デザイン事業」、教科書出版事業を「教育ソリューション事業」に名称変更し、「情報をデザインする会社」への変革を加速する。また今年10月からWeb上で発注・生産管理出来るシステムのサービスを開始。沼津工場にデジタル印刷システムの生産拠点を新設するとともに、コンビネーション印刷機事業を拡大する。

輪転機メーカー二社が統合 ◆ゴス・マンローランドウェブ

輪転機メーカーのマンローランド ウェブ システムズとゴス インターナショナルは事業を統合し、新会社の設立を発表した。これにより、世界市場に向けたプレゼンス、幅広い製品群、技術的優位性、長期的で包括的な顧客サポート、輪転印刷市場におけるEビジネスが可能になるとしている。新会社の名称は「マンローランド ゴス ウェブ システムズ(manroland Goss web systems)」。新会社のCEOには、マンローランド ウェブ システムズのCEOだったAlexander Wassermannが就任する。

ファクトリーオートメーションへ ◆ニシカワ・アグフア

ニシカワ(東京都東大和市)と日本アグフア・ゲバルトはIGAS 2018会期中の7月26日、東京ビッグサイト会議棟会議室でアグフアのファクトリーオートメーションシステムの採用を発表した。ニシカワはB縦半裁オフセット輪転機6台、A横全判オフセット輪転機1台、A全判オフセット枚葉8色機2台を持つ印刷会社。今回アグフアのルーティンワークを自動化する『APOGEE Drive AutoPilot』と大容量CTPローダー『Expert Loader』を採用し、自動化と省力化を図る。

名称変更、新会長に西川誠一氏 ◆KOMORI

小森コーポレーションはこのほど、ランダ社(イスラエル)のナノインクを搭載した40インチ(B1)枚葉ナノグラフィックプリンティングシステムImpremia NS40(インプレミアNS40)のフィールドテストを来年春に予定していると発表した。KOMORIは、①あらゆる用紙に印刷できる、②オフセットに並ぶ品質、③両面ワンパス印刷の3つを開発コンセプトに掲げ、そのコア技術を持つメーカーをパートナーとしてきた。その上で、オフセット印刷機で培ってきた独自の制御技術などを取り込んだデジタル印刷機を開発してきたと解説。一方で、ランダ社のナノインクも改良が進み、現在、3世代目となっていることが紹介された。

大・中規模向け13%増へ ◆リコー

リコーはIGAS2018の開催に併せ、7月26日、東京ビッグサイト会議棟で会見を開き、商用印刷事業への取り組みについて説明した。成長戦略の中で2020年度までに大・中規模向けの商用印刷領域は平均成長率13%増(同社調べ)と予測する。

あけぼのにアレグロ無線綴じ機 ◆ミューラー・マルティニ

製本機のミューラー・マルティニ ジャパンは7月28日、東京ビッグサイト会議室で、新潟県新潟市の第一印刷所グループのあけぼの(新潟市江南区)に、今年11月、最新鋭のアレグロ無線綴じ機ラインとコネックス4.0ワークフローシステムを納品すると発表した。近年、あけぼのの無線・アジロ綴じの生産実績は3,000部以下が全体の7割に達し、1,000部以下が3割を占める。第一印刷所グループの印刷工程の生産強化に伴い、グループ全体のワークフローを見直しており、今回、アレグロとコネックス4.0の導入により、後工程で多品種・小ロットの生産性向上と、スキルレス化を図る。

インターテック技術賞 ◆ハイデルベルグ

ハイデルベルグ社のB1インクジェットデジタル印刷機「プライムファイア106」は、PIA(米国印刷工業会)から、2018年のインターテックテクノロジーアワードが授与された。今回の受賞で39個目のインターテックテクノロジーアワード受賞となり、ハイデルベルグ社は業界の中で最も多くアワードを受賞した会社となる。プライムファイアは毎時2,500枚で、最初の1枚目から1,200×1,200dpiの高品質を提供し、月に150万枚の生産まで達成できるように設計。モジュラーシステムにより、そのデジタルプリンティングシステムは、さらにスピードを上げることができ、印刷機自体を交換しなくても新しい特徴を付加、アップデートすることができる。

Push to Stopで生産性向上 ◆ハイデルベルグ・ジャパン

ハイデルベルグ・ジャパンは、7月25日、東京都品川区の本社ショールームでプライベートショー「Push to Stop 2018」を開催した。会場を一つの印刷工場に見立てて、ハイデルベルグが掲げるコンセプト『Push to Stop』のもと、異次元の生産性を可能とする各種ソリューションが提案された。プライベートショーは、午前の部と午後の部の2回に分けて、実演を交えながら生産性向上のための取り組みを解説。実演を通じて一貫して提案されたのは、OEE(総合設備効率)を高めるための自動化や効率化。OEEは、「時間効率×速度効率×良品効率」から算出される。デモンストレーションではOEEに基づいて分析すると、日本の大半の印刷工場で、効率化に取り組む余地があることが指摘された。OEEを高めるためには、前準備時間の短縮や無駄を削減していくことが必要であり、それを可能とする機能を搭載した印刷機、後加工機、効率的なジョブ管理を行うプロダクションシステムが提案された。

色再現高めるCMS技術を開発 ◆セイコーエプソン

セイコーエプソンは、商業・産業印刷の色再現性を高めるカラーマネジメント技術「Color Control Technology」を開発し、新技術を用いたサービスの提供を今年度中に日本国内で開始する。新技術は、プリンターの機種・機体やメディアによって生じる色差調整などの課題に対するソリューションとして開発。エプソン製プリンター導入ユーザーの色合わせプロセスに際し、「色予測」「色解析」「色変換」「色最適化」の4つの技術を用いて、短時間で高精度なカラーマネジメントを実現する。

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