電子書籍市場は2,500億円を突破
若年層を中心にマンガ・コミックが大半占める
インプレス総合研究所は、電子書籍に関する動向調査の結果を発表している。それによると2017年度の電子書籍市場規模は2,241億円で、2016年度から265億円(13.4%)増加した。電子雑誌市場規模については315億円(対前年比4.3%増)を推計。電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は2,556億円だった。2018年度以降は、今後もゆるやかな拡大基調を見込んでおり、2022年度に3,500億円を予測している。
なお2017年度の電子書籍市場規模のうちコミックは前年度から228億円増加の1,845億円となり、市場シェアは8割を超えている。文芸・実用書・写真集など字ものは同37億円増加の396億円でシェア率は17.7%である。
また最近は無料でマンガを読めるアプリやサービスの利用が拡大し、同アプリの利用率は前年比0.8ポイント増の28.4%、2017年度の同アプリ広告市場規模は100億円に上った。2018年度には120億円程度に達すると予測している。
同様の調査がマイボイスコムから発表されている(『電子書籍』に関するインターネット調査)。それによると、直近1年間に電子書籍を読んだ人は全体の4割弱で、中でも若年層で高い。内容は「マンガ・コミック」が5割弱を占めており、圧倒的に多い。「小説」「趣味・生活関連の実用書」「雑誌」については各30%台だった。
こうした結果からは、電子書籍を読む世代や内容が限定されつつあることが伺える。そうした中、電子書籍を読む人が挙げた電子書籍のメリットは「出先で手軽に読める」「旅行時にガイドブックとして手軽」など手軽さが目立った。一方、読まない人は紙の本を選ぶ理由として「コレクションしたい」「紙のほうが頭に入りやすい」などを挙げている。メリット・デメリットを活かした媒体の選択がさらに進みそうである。