世界の広告成長率は3.9%、6,135億ドルに
デジタル広告が市場を牽引
電通イージス・ネットワークは、世界59カ国・地域から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」をまとめている。2018年の世界の総広告費は、成長率3.9%と見込み、6,135億ドルで、過去最高となる見通しである。世界的にデジタル広告がけん引する予測。媒体別では、二桁成長のデジタルがテレビを上回ってトップシェアとなり、2019年にはデジタルがシェア40%を超過する見通しである。
世界のデジタル広告費の成長率は、2018年に12.6%、2019年に11.3%と、二桁成長が続くと予測。けん引役となるのは、オンライン動画広告とソーシャルメディア広告で、2018年の成長率はそれぞれ24.6%と21.6%としている。
なお、モバイルデバイス向けのデジタル広告は、デジタル広告費内のシェアが50.3%となったが、2018年には52.2%に達する見通し。また2018年には、調査対象の59カ国・地域のうち、21カ国・地域においてデジタルが媒体別広告費でトップになると予測している。
なお、市場規模で世界1位、2位の米国と中国に加え、西ヨーロッパの英国やフランス、東ヨーロッパのロシアなどが堅調であることから、ラテンアメリカを除く全地域の市場予想で上方修正をしている。一方、世界第3位の広告市場である日本は、緩やかで安定的な経済成長に伴い、2018年の成長率は1.5%を見込んでいる。
2018年の上方修正の背景には、主要広告市場における堅調な成長、特にデジタル広告の更なる拡大と、「2018年平昌冬季オリンピック・パラリンピック競技大会」「2018 FIFAワールドカップ・ロシア大会」「米国の中間選挙」など大型イベントによる貢献がある。デジタル広告の成長と大型イベントの成功はリンクしていることは、デジタル広告時代においても考慮すべき要素になっている。