本の寄贈プログラム

事業を通じての社会貢献

 ブックオフオンラインは、同社が運営する本の宅配買取サービス「宅本便」で、値段のつかない本の一部を埼玉県内の子ども食堂へ寄贈する取り組みを開始した。寄贈は、埼玉県遊技業協同組合を通じて埼玉県内の子ども食堂(約14ヶ所)に行う。寄贈する本の種類は、図鑑、歴史漫画、絵本、児童文学など、子どもの学びを支援することを念頭に置き、現地からの要望をもとに選定される。今後支援提供先を通じて、全国の児童養護施設への寄贈を拡大していく。
 子ども食堂という名称は、2012年、東京都大田区「気まぐれ八百屋だんだん」の一角に「こども食堂」が設置されたことが最初と考えられている。同店の店主である近藤博子氏は、地域の居場所作りや仕事を通じて、食事の偏りがちな子どもたちの存在を知り、子ども食堂を開店した。
 子ども食堂は、子どもやその親、および地域の人々に対し、無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する社会活動。政府が2009年に発表した相対的貧困率(世帯所得が標準的所得の半分以下の割合)から、表面上に見えてこない貧困層の存在が社会的に認知され、孤食の解決、子どもと大人たちの繋がりやコミュニティ連携の手段として、日本各地で同様の運動が急増している。
 ブックオフでは、販売と需要のバランスから、本の状態は良いが買取できない場合、資源リサイクル業者に引き渡し、再資源化をしている。顧客は持っている本の、「値段がつかないなら、捨てる」判断をすることが少なからずあり、買取できなかった場合に寄贈というルートを作った。その結果として社会的には子ども支援の一助を果たし、事業観点では「捨てるなら、売る」判断を増やすことで同社グループの経営理念の1つである「事業活動を通じての社会への貢献」の実現を目指す。

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