デジタルとリアルを融合した事業戦略展開

マーケティング・オートメーションからデジタル・ラボ店まで

 全国で紳士服販売チェーンの「洋服の青山」を展開している青山商事株式会社(以下、青山)は、2019年3月期の施策で掲げている事業戦略の中に“デジタル戦略”を盛り込んでいる。
 デジタル戦略では、AI活用を視野に入れたマーケティング・オートメーション化を目的に、①販促のデジタル化、②ECと店舗の連携強化(デジラボ店舗推進)、③接客のデジタル化(接客支援端末開発)に取り組む。
 デジタル戦略の具体的な内容をみていくと、青山には、店頭で収集される顧客情報や購買情報、あるいはECサイトやアプリから得られる顧客の行動情報、価格や商品の特長などの商品情報、加えて季節・気温・天候などの外部データといった様々な情報が集まる。
その情報を集約して、データベース化し、それをAIで分析。そこから、顧客の嗜好やニーズ、購入意欲、タイミング、好みの購入アクションの予測などをしていき、個別メルマガの配信やDMの送付、ECあるいは店舗への誘導を行っていくといったマーケティングアクションをすることで、個別の購入アクションに繋げていこうというもの。2019年度の事業指針として、印刷メディア事業分野において効率的なマーケティングとデジタル販促システムを構築していくことを掲げている。
 また青山では、実店舗とネットの垣根を越えた新コンセプト店『デジタル・ラボ(デジ・ラボ)』を2016年から展開。この店舗は、ネット上にある1,000万点以上の商品在庫の中から好みの商品を選択し、店舗で試着や採寸を行えるなど、実店舗とネットのメリットを融合させた買い物のスタイルを提案する場であり、現在3店舗が開設されている。こうした取組みは、コアビジネスにおける“強み”を拡大する施策として進められている。

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