剣道、スキーなどスポーツ雑誌出版社が破産
ネットシフトで減少する発行枚数
日本郵政グループの官製ハガキ、年賀ハガキ、郵便ハガキ等の印刷指定工場となっていたトキワ印刷株式会社(資本金4億7,820万円、福島県須賀川市、代表後藤裕氏)は、12月22日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、保全管理命令を受けた。負債は債権者約307名に対し約98億円。関連会社を含めた5社合計の負債額は約120億円の大型倒産となった。同社は、1914年(大正3年)2月に創業、47年(昭和22年)6月に法人改組した印刷業者。日本郵政グループから官製ハガキ、年賀ハガキの受注を得て最新鋭の設備を有し、近時のピークである2009年3月期には年売上高約48億5,300万円を計上していた。しかし、ハガキの需要後退などから受注の減少が続き、債務超過となっていた。
出版業界でも倒産が続いている。「月刊スキージャーナル」や「月刊剣道日本」などスポーツ関連の書籍を発行していたスキージャーナル社が破産した。スキージャーナルは、1984年に設立。66年創刊のスキー雑誌「月刊スキージャーナル」や剣道雑誌「月刊剣道日本」、その他スポーツ関連の実用書などを手がけ2004年5月期には約11億2,300万円の売上高を計上した。しかし、バブル期のスキーブームにも、陰りがみえるとともにインターネットの普及でメディアの多様化は進む一方で、同社の売上高も2017年5月期に約4億4,100万円まで落ち込むなど低迷。17年12月末、「月刊スキージャーナル」「月刊剣道日本」の休刊を発表していた。
電通がこのほど発表した「2017年(平成29年)日本の広告費」によると「マスコミ四媒体広告費」は、同97.7%だったが、「インターネット広告費」(同115.2%)は、モバイルでの運用型広告、動画広告が伸長し、広告費全体を押し上げた。SNSなどメディアの多様化により郵便ハガキや雑誌の部数減が続いている。