技能五輪の周知イベント開く
若手技術者育成の場に
日本印刷産業連合会は厚生労働省と職業能力開発協会と連携して、2月16日、都立・中央・城北職業能力開発センターで、技能五輪国際大会の周知イベントを開催した。
技能五輪国際大会は、隔年、世界各都市を巡回して開催される若手技術者によるオリンピック。出場選手は大会開催年に22歳以下であることが条件となる。昨年10月に開かれた第44回技能五輪国際大会(アブダビ)の印刷職種では、亜細亜印刷の早瀬真夏氏が日本代表選手として出場。第4位で敢闘賞を受賞した。
技能五輪国際大会は、その準備期間、そして目標を掲げ、大会当日に海外選手と技能を競うことで、次代を担う若手印刷人の技術レベル向上とモチベーションを高めることができる。日々の業務の中では、同世代のオペレーター同士が腕を競い合う機会はなかなかなく、先輩技術者のみの環境では技能を継承しても、さらに高めようとする動機付けが難しい。技能五輪国際大会を目指すことは印刷の基礎・基本を学ぶチャンスになる。
今年1月、日印産連の新年交歓会で行われた帰朝報告で早瀬氏は「長い人生の中で今回の経験は大きな糧となった。これから印刷業界で一人前の技術者になれるよう努力していく」とコメントしている。
ものづくりの面で印刷技術を高めるには若手育成が欠かせない。そうした機会を増やしていくことを業界全体の課題として考えていくことが求められる。
印刷職種は選考会によって代表選手が選出されるが、職種によっては全国大会があり、そこを勝ち残った日本一の若手技術者が国際大会への出場権を獲得できる。今回の周知イベントは印刷職種の全国大会を開催する大きなきっかけとなった。
次回の第45回技能五輪国際大会は、2019年8月18日から23日まで、ロシアのカザンで開催される。