加工食品にも原料原産地表示へ
包装・ラベルの小ロット化、短納期化進む可能性
新たな加工食品の原料原産地表示制度を定めた食品表示基準の一部を改正する内閣府令が9月1日に公布・施行された。今回の改正では加工食品の原料原産表示が義務化されており、食品のパッケージ、ラベルにも影響が生じる。改正によって、消費者は原料の原産地について、これまでよりも充実した情報を得ることが可能となる。また、消費者庁では新たな制度が消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会を広げると期待する。
改正ではこれまで一部の加工食品にのみ義務づけられていた原材料の産地表示が全ての加工食品に拡大される。表示方法は最も多い原材料について原産国を表示。2ヵ国以上の産地の原材料を混ぜて使用している場合は多い順に国名を表示する。輸入食品の場合はそのまま「原産国」が表示される。
しかし、新制度では①製造地表示、②又は表示、③大括り表示、④大括り表示+又は表示の4つの例外表示が設けられた。製造地表示は例えば、『干しそば』の原材料が国産とは限らない場合、『そば粉(国内製造)』と表記する。又は表示はウインナーソーセージで、国産とアメリカ産の原料を切り替えて使用している場合、使用実績等の順に『国産又はアメリカ産』と表記する。例外表示が多いことも今回の改正のポイントで、表示が複雑化して、分かりにくくなるとする批判もある。
パッケージやラベルに記載される食品表示は制度改正のたびに記載内容が増えたり、変更される。表示スペースは大方限られるため、細字や長体、平体をかけて掲載することになるが、可読性も問われる。一方、原料の産地が変更されるたびに表示内容を変える必要が生じるなど、今後、パッケージやラベルの小ロット化、短納期化の要求が進む可能性がある。
経過措置期間は4年。完全施行は2020年4月からとなる。