ゆうパックの料金改定
基本運賃を平均12%引き上げ
日本郵便は来年3月1日にゆうパック運賃等の見直しを実施する。基本運賃を平均12%程度引き上げる。
Eコマース市場が拡大し、個人が宅配便を利用する機会が増えている。日本郵便は、共働き世帯や単身世帯の増加による、ライフスタイルや社会の変化に対応するため、「身近で差し出し、身近で受け取り」をコンセプトに、一人ひとりの顧客の荷物の差し出しやすさや、受け取りやすさを追求するため、「ゆうパック」サービスを改善する。併せて、人件費単価の上昇等などに対応しつつ、安定的なサービスを維持するために運賃を改定するという。
60・80サイズは沖縄以外+110円(沖縄60サイズ+40円、80サイズ+90円)、100サイズが同+130円(同プラス140円)、120サイズが同+190円(同+240円)、140・160サイズが同+190円(同+240円)、170サイズが同+230円(同+290円)の運賃引き上げを予定している。同時に10個以上差し出すことで適用される数量割引は廃止する。
値上げと共に日本郵便は、Webを活用して簡単に差し出しができるサービス「Web決済型ゆうパック」や、ゆうパック宛名ラベル作成アプリの提供、不在時でもゆうパックが受け取れる指定場所配達サービス、配達希望時間帯の拡充などを実施していく。
値上げとともに利便性を高める狙いだが、宅配便大手のクロネコヤマトや佐川急便は10月、11月と相次いで個人向け宅配料の基本運賃の値上げを発表している。
日本郵便が指摘するように、物流業界は人手不足が深刻化している。こうした状況を打開するには、従業員の待遇改善や環境改善が欠かせない。安定したサービスを維持ししてくための値上げだが、利用者の負担がどこまで大きくなるか、懸念が高まる。