国内タブレット出荷、初の前年割れ

今後は文教への普及などに期待

MM総研はこのほど、2016年暦年(2016年1月~12月)の国内タブレット端末出荷台数の調査結果を発表した。総出荷台数は前年比9.8%減の851万台となり、2010年の出荷統計開始以来、初の前年割れとなった。
このうち携帯電話キャリアの3G/LTEネットワークを利用する「セルラータブレット」は、キャリア主導のAndroidタブレットが好調に推移した。一方、無線LANのみをネットワークとして利用する「Wi-Fiタブレット」は2013年をピークに3年連続で減少した。
2016年のメーカー別出荷台数・シェアはApple(シェア42.3%)が1位を獲得。日本でタブレット端末が登場した2010年から7年連続で1位を獲得したが、2014年をピークに台数は2年連続で前年割れとなった。ただ、市場全体の落ち込みと比較すると減少幅は小さく、シェアは2.2ポイント増加した。OS別出荷台数・シェアはAndroidが3年連続で1位を獲得。2位はiOS、3位はWindowsとなった。
回線別出荷台数・シェアはセルラータブレットがシェア58.0%、Wi-Fiタブレットが42.0%となった。市場全体としては減少するなか、セルラータブレットは台数が前年比1.0%と僅かながら増加。携帯キャリアが販売するAndroidタブレットとして、NTTドコモ「dtabシリーズ」、au「Qua tabシリーズ」が両社の販売施策の後押しもあり好調だった。
MM総研では今後のタブレット端末市場の回復に向けたポイントとして、①キャリアのタブレット販売施策の継続強化、②MVNOサービスとの相乗効果によるSIMフリータブレットの増加、③Windowsタブレットの拡大―の3点を挙げている。
また、文教を含めた法人市場におけるポテンシャルに期待でき、今後のV字回復は困難ではないと予測している。

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