働く女性の意識変化進む
キャリア形成にも意欲的
3月17日の日本経済新聞で、東京都が平成25年度から平成28年度まで行った中小企業の労働環境の整備・若手人材確保に向けた取り組み支援のまとめ広告が掲載された。この中で、東京グラフィックサービス工業会が手掛けた、女性活躍推進をはじめとしたワークライフ・バランスが紹介された。印刷業界でも女性活躍推進やワークライフ・バランスといった言葉は徐々に浸透しつつある。こうした環境の変化を受けて、働く女性の意識も変わり始めている。
博報堂および博報堂DYメディアパートナーズは、女性メンバーによる活動「博報堂 キャリジョ研」で、20から30代の働く女性(キャリジョ)に関する調査研究を行っている。このほど行ったキャリジョの意識・行動調査によると、9割以上が「女性が働くのは自然」と思っていること、転職・副業にも抵抗がなく、キャリア形成に意欲的なこと、また、結婚においては「女性からプロポーズしてもいい」と6割以上が考えているなど、様々な特徴が浮かび上がった。
1月末に総務省が発表した労働力調査では、15~64歳の女性就業割合が66.0%と過去最高値を記録。中でも、25~34歳女性の伸び率が高く、73.9%が就業している。女性活躍推進法施行から2年目を迎え、今後もこの傾向は拡大していくと推測している。
女性活躍推進については、ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンが行った男性を対象にした意識調査で、優秀な人材獲得に繋がるという見方が多く見られた。その一方で、女性というだけで登用されて能力が伴っていないという不公平感の高まりも見て取れる。女性が活躍する対岸で、男性の働くモチベーションが低下しないよう適正な人事評価と働き方の改革が企業には求められる。