注目される印刷会社の機能
コアビジネス拡充で合弁・M&A活発に
キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンプロダクションプリンティングシステムズ(キヤノンPPS)と石田大成社は4月3日に、合弁会社「コマーシャルプリンティングラボ」を設立した。新会社は、インクジェット方式業務用高速連帳プリンターを活用した印刷事業やコンテンツ制作事業などにより、印刷業界の新しい市場創出を目指す。
キヤノンPPSが持つデジタル印刷のノウハウと、石田大成社の持つオフセット印刷やコンテンツ制作のノウハウを融合することで、オフセット印刷からデジタル印刷まで総合的な提案を可能にする。また、会社を『ラボ』に見立て、印刷物の企画立案から加工・配送に至るまでの自社のデジタル印刷設備とワークフローを公開することで、導入を検討する顧客が実際の印刷現場の一連の仕組みを体験できるようにする。
デジタル印刷機メーカーが印刷会社と直接、合弁会社を作り、自社の機器の稼働率を上げ、新しい市場を開拓しようとする一方で、製紙会社の大王製紙は三浦印刷の普通株式及び、新株予約権の公開買い付け(TOB)開始を発表。従来から持つ印刷部門を強化し、紙の製造だけでなく、消費の部分も増やしていこうとしている。買い付け代金は83億6,400万円を予定している。
大王製紙は子会社のダイオープリンティングで印刷事業をすでに手掛けているが、メインとする市場と印刷設備は三浦印刷と異なる。三浦印刷をグループ内に迎えることで、これまで取り扱っていなかったユーザーや製品に係る印刷市場に参入することが可能になると見ている。
また、それらの市場動向や洋紙に求められる品質等の情報も流入しやすくなることで、洋紙事業をより市場感のある事業へと転換していこうとしている。