2016年の印刷生産金額2.5%減

包装印刷以外は軒並みマイナスに

経済産業省の生産動態統計によると、2016年の印刷生産金額(従業員100人以上)は前年比2.5%マイナスの3,873億4,500万円となった。
分野別では出版印刷が5.3%減の708億1,400万円で引き続きマイナス基調が続いている。情報伝達手法の電子化の影響が大きい。出版科学研究所によると雑誌は19年連続のマイナスで、2016年も前年比5.9%減。一方、電子出版市場は前年比27.1%増の1,909億円と成長している。
商業印刷は1,433億6,600万円で、2.8%減。販促手法がインターネットやデジタルサイネージなどの電子媒体にシフトしている中、紙媒体への回帰もされているが、実態は厳しい状況が続く。また、ロット数の減少が影響していると考えられる。
包装印刷は746億8,600億円で2.6%増。分野別では唯一のプラスとなった。高機能包装材や多品種・小ロット化による銘柄数の増加が押し上げていると見られる。
このほか証券印刷が9.8%減の55億3,500万円、事務用印刷が1.4%減の552億9,500万円、建装材印刷が4.4%減の161億8,100万円だった。
印刷市場は製造品出荷額ベースでマイナス成長が続く。それでも2007年まで印刷用紙、印刷インキともにプラスで実質的な印刷需要がプラスで推移していたが、リーマンショックが生じた2008年以降は印刷用紙、印刷インキがマイナスに転じ、実需も減少に移った。グラビア、フレキソ、スクリーンのインキの出荷がほぼ変わらないため、包装系、産業系の商品・製品に付随する印刷物は減っていない。それに対し、オフセットインキのみマイナスが続いていることから、情報系の印刷需要が電子化の影響で減少していると見られる。この傾向はこの先も続くのだろうか。

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