東京ビッグサイト会場問題で署名提出
同人誌はじめ印刷需要に影響も
日本展示会協会、東京ディスプレイ協同組合、電設協議会の3団体は1月26日、東京・大手町のサンケイホールで記者会見を開き、2020年に東京オリンピックにより使用が大幅に制限される東京ビッグサイトの問題で8万1,143の署名を集め、1月20日、小池百合子東京都知事に陳情書とともに提出したと発表した。
東京ビッグサイトは2020年の東京オリンピックのメディアセンターとして利用されるが、その間、東京ビッグサイトで展示会が開催できなくなる。日展協は経済損失が約1兆2,000億円と試算し、とくに中小企業の経営、営業活動に多大な影響が出ると訴えている。
現在、東京都では仮設展示場の建設を計画しているが、規模は東京ビッグサイトの展示面積の4分の1のため、全面的な解決に至っていない。
東京都に提出した陳情書では改めて首都圏東京ビッグサイトと同規模の仮設展示場の建設と、展示会ビジネスの衰退危機、中小企業の営業活動停滞への懸念を訴えている。
印刷業界に関しては、同人誌印刷をはじめ、展示会で利用されるカタログやパンフレット、パネル等の需要に影響が出る恐れがある。また、東京ビッグサイトで行われている展示会を商談の場として活用している中小印刷会社も少なくない。
日展協の石積忠夫会長は東京ビッグサイトで開催されている展示会が中小企業の商談の場であると強調し、「ビジネスが行われていない、売上がないかのように取り上げられてしまった。そこにボタンの掛け違いがあると思う。年間、何兆円というビジネスが行われており、北京でもロンドンでもリオでも展示会場をオリンピックの会場として使われなかった。それはそこで売上があり、多くの人が生活しているからだ」と述べた。