デジタルマーケティングの成果37.0%
成果が見えないものの、各業種で今後に期待
富士通総研が発表した「デジタル化への認識とデジタルマーケティングの実態調査」によるとデジタルマーケティングで成果を挙げている企業は37.0%にとどまることが分かった。調査は昨年9月、年商上位10,000社のマーケティング担当を対象に行われ、842社から回答があった。
調査ではマーケティング担当者に、販売や営業にデジタル化の影響を質問したところ、「お客様が商品情報などをインターネットで調べるようになった」と答えたのは61.5%。「電子メールやWebサイト経由の問い合わせが増えた」は31.6%だった。業種によって回答内容が異なり、デジタル化の影響は「小売・外食業」、「消費者向けのサービス業」のB to Cの業種で高かった。デジタル化によって企業やビジネスが「すでに大きく変化しているのは8.6%にとどまった。業種別では最終顧客と直接取引きしている業種の比率が高かった。一方、1~2年から5年位までを合わせた「変化がありそう」は52.8%に達した。
デジタルマーケティングの取り組み状況は「すでに取り組んでいる」が35.3%。業種別にみると比率が高いのは「小売・外食業」(57.6%)、「B to Cサービス業」(52.9%)、「B to Bサービス業」(38.1%)だった。しかし、「成果を挙げている」と回答した企業は37.0%。残りは「成果はまだ見えていない」と回答している。B to C製造業(79.3%)、製造業(77.4%)で期待が高い。
富士通総研ではデジタルマーケティングを実践する上で、ツールや手法を導入しただけでは成果が得られないと指摘。成果を挙げている企業は社内の協力を得ながら、顧客の獲得や販売など成果の見えやすい目標を設定してPDCAを回している企業が多いという。成果を挙げるためのポイントにはデジタル変革の価値の共有化、最適な目標設定とPDCAを挙げている。