サービス業の労働生産性米国の38%

全体の労働生産性もOECD加盟国35カ国中20位

公益財団法人日本生産性本部は12月19日に発表したサービス産業を含めた「労働生産性の国際比較 2016年版」によると、日本の労働生産性は米国(68.3ドル)の6割強の水準となった。第1位はルクセンブルクの95.0ドル(10,006円)で、日本の2.3倍に相当する。日本の労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟35カ国中の20位となった。前年の21位よりも1つ上昇したが、1970年から主要先進7カ国の中では最下位となっている。
調査はサービス産業でも日米の比較を行っている。それによると、卸売・小売業は米国の38.4%、飲食・宿泊業は34%の低水準となっている。IT技術の導入が遅れていることが原因とされている。
製造業における就業者1人当たりの労働生産性は74,315ドル(783万円)で、OECD加盟35カ国中22位となっている。GDP基準改定後の試算値は78,997ドル(832万円)で、全体の順位は変わらない。GDP基準改定後のGDPをベースに、政府が目標とするGDP600兆円の実現に必要となる実質労働生産性上昇率は年率+1.4%(時間当たり)。これは1990年代後半とほぼ同じ水準で、基準改定前(+2.6%:1980年代前半の水準に相当)から1.2%ポイント低下している。
政府ではGDPに関する統計の国際基準の見直しを行い、12月8日にGDP基準を改定。今回は①政府目標のGDP600兆円の実現に必要となる労働生産性上昇率(新基準)、②労働生産性の国際比較、③GDP新基準に基づく労働生産性の国際比較に関する試算を行った。
政府が目標とするGDP600兆円実現に必要な実質労働生産性上昇率は、GDP基準改定に伴い年率+2.6%から+1.4%に低下した。日本の労働生産性は、労働者の勤勉さや仕事のやり方、行き過ぎた価格競争、消費者のデフレマインドなど日本経済や産業構造全体の非効率性が課題とされている。

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