年賀葉書の配達、1月2日中止に
コスト上昇、発行枚数の減少などで
日本郵便は来年から1月2日の年賀葉書の配達を中止する。
日本郵便は2005年から郵便サービス向上の一環で、1月2日の配達を再開した。しかし、年賀葉書の販売数が減少する中、臨時配達員の人件費が向上。2日に配達される年賀葉書は1億5,400万通だが、全体の7.5%で1世帯2.7枚にとどまっていた。
11月1日から始まった2017(平成29)年用年賀葉書の当初発行は28億5,329.6万枚。を予定している。前年の30億2,285.2万枚からマイナス5.6%。ピークだった2003年の約44億6,000万枚から3割以上も減少している。
年賀葉書の発行枚数は2003年までほぼ毎年、右肩上がりで上昇を続けていたが、2000年初頭から普及し始めた携帯端末によるコミュニケーションの広がりと合わせるように減少の一途を辿っている。
年賀葉書の印刷は、年賀葉書印刷業者にとって年末需要のウェートが大きかったものの、近年は印刷ネット通販やスマートフォンからの印刷受注など、ビジネスの形態が変化している。流通形態も百貨店からコンビニエンスストア、郵便局窓口と多様化している。
日本郵便でも、年賀葉書需要を喚起するためにインクジェット紙の拡充やディズニー、ハローキティのキャラクター製品を加えるなど新たなサービスを生み出している。今年はゆうびんIDに登録すると、クラウドでの住所録管理機能が利用可能になるほか、スマートフォンのカメラで年賀状の宛名面を撮影すると、住所録データとしての取込みや管理が無料で利用できるサービスを展開。法人向けサービスでは、指定した配達地域に宛名記載を省略した年賀はがきを一般年賀状と一緒に配達する「年賀タウンメール」を提供しているが、減少に歯止めがかからない。年始の挨拶の定番だった年賀状文化はこの先どうなるのだろうか。