成長するネット通販市場6兆円超える

企業参入やBtoB系通販の活性化、サービス拡充で

日本通信販売協会(JADMA)では、2015年度(2015年4月から2016年3月)の通信販売市場の売上高について調査を行い、速報値を発表している。それによると、2015年度の通販の売上高は、前年比5.9 %増の6兆5,100億円となり、金額ベースでは前年に比べ3,600億円の増加となった。これは、マイナス成長を記録した1998年度以来、17年連続して増加傾向が続き、直近10年の平均成長率は6.9%となっている。
過去の推移をみると、伸び率では2010年8.4%、2011年9.0%、2012年6.3%、2013年8.3%、2014年4.9%と、飛躍的に伸びた2010年、2011年に比べて鈍化している。しかし、市場規模については堅調に増加しており、今後も成長することが見込まれる。
JADMAでは、この市場の拡大要因として、一つには楽天、アマゾン、スタートトゥディ等のプラットフォーム系企業が市場参入し、拡大の牽引役となっていること。また、店舗系ネット通販、BtoB系通販が躍進していることや、マーケティングツールからフルフィルメントサービスまで、周辺企業による通販支援サービスが充実してていることなども挙げている。
経済産業省が2016年6月に発表している「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」においても、国内の2015年BtoCにおけるEC(BtoC-EC)市場規模は、13兆7,746億円(前年比7.6%増)とあり、EC化率については、4.75%で前年より0.38ポイント増加した。BtoC-EC市場とは、個人消費における全ての財(商品)、サービスのなかでインターネットを通じて行われた取引の金額を指す。個人消費はGDPの約6割を占めることから、今後、EC化への取り組みがビジネスにどのような影響をもたらすのかを考えていく必要がある。

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