第7回ロボット大賞受賞決定

労働力不足解消、生産性の向上へ

『第7回ロボット大賞』の受賞ロボットがこのほど決定した。
ロボット大賞はロボットによる生産性の飛躍的向上、単純な繰り返し作業や過重な労働等からの解放、急速な少子高齢化が引き起こす労働力不足の解消や、安全・安心な社会の実現に貢献を目的に2006年に始まった。主催は経済産業省(幹事)、一般社団法人日本機械工業連合会(幹事)、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省。縦割りの省庁が共催しているのは、ロボットがものづくり分野はもとより、サービス分野、介護・医療分野、インフラ・災害対応・建設分野、農林水産業・食品産業分野などの幅広い分野で活用されるためである。
経済産業大臣賞を受賞したのは株式会社MUJINが開発した完全ティーチレス/ばら積みピッキングMUJINコントローラ「Pick Worker」(ピックワーカー)。名称からはよくわからないが、ばら積みしている部品などをピッキングするもので、人間がロボットに動作を教えなくても、勝手にロボットを動かすコントローラである。ユーザーは、①ペンダント上でロボットの動作環境を作成、②ワークの把持可能箇所の登録、③搬送位置や姿勢の登録の3ステップのみで、専門家でなくても3週間程度でばら積みピッキングの立ち上げができる。
用途は自動車産業など製造現場だけでなく、物流でのピッキング工程の自動化にも応用できるという。今回の受賞は労働力不足等の社会的課題解決への貢献と生産性向上に寄与している点を評価されたもの。
印刷業界でもパレタイザーなどロボットが採用されているケースがあるが、まだ一部にとどまっている。紙積みや紙捌きなど重労働が残る工程は労働力確保が難しくなってくる今後、ロボット化の需要が増えてくるかもしれない。

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