ポスト2020年、影響与える技術
「エネルギー」「自動運転」「ICT」「VR、ドローン、ロボット」「AI」
矢野経済研究所では、国内の上場企業の企画部門に所属するビジネスマンを対象に、ポスト2020年の日本社会と成長産業に関するアンケート調査を実施した。それによると、2016年度から2020年度までの日本の実質GDP成長率は「0~1%」と回答した人が55.1%となり、2020年度までは比較的横ばいで進むという感触を示す人が多いという結果になった。
回答者が所属する企業の産業セクターにおいて、2020年度までの平均成長率の見通しについては、「ICT」の成長率が2.9%と最も高く、次いで「サービス業(電気・ガス、陸運、金融、サービス)」が1.5%、「製造業(金属、機械、精密、電機、輸送機械)」と「医療、化学、繊維」が1.2%だった。
業界の将来に大きな影響を与える技術、ビジネス機会についての質問では、「エネルギー」が20.2%と最も高く、「自動運転」15.8%、「ICT」14.0%、「VR(Virtual Reality)、ドローン、ロボット」12.1%、「AI(Artificial Intelligence)」11.0%と続いた。一方、回答率が低かったのが、「クールジャパン、和食」「農業・養殖」「防災」「オムニチャネル、EC」「人口問題」「フィンテック」「環境対策」「アジア市場」「TPP、規制緩和」「労働問題」「航空・宇宙」など。
日本政府は2015年9月、2020年度を目処に名目GDP600兆円の達成を目標として掲げた。この数字は、名目ベースで平均年率約3%の成長の実現が求められる厳しい数字だ。そこで2016年7月、実質見通しを名目ベースで3.1%から2.2%へ下方修正している。今回のアンケート調査結果でも、半数以上が「0~1%」の見通しにとどまっている。しかしアンケートの中には、2%以上の成長が可能との回答も3割に達していることから、日本経済の成長とポテンシャルに対する期待と信任があることも伺える。