中づり広告を「デジタルサイネージ」
2016年製作の新型通勤車両から導入。車両内にWi-Fiも
私鉄の西武鉄道は、2016年度製作の新型通勤車両「40000系」に中づり広告を無くして「デジタルサイネージ(電子看板)」を導入することを9月8日に発表した。
2017年から運行を開始する新型通勤車両「40000系」のデジタルサイネージは、17インチディスプレイ2面を横に並べ、1両あたり12~16面、1編成あたり156面のサイネージを設置する。
西武鉄道の広告用デジタルサイネージは「Smileビジョン」の名称で座席のクロスシートやロングシートなど利用環境に応じて設置する。広告のほかニュースや天気予報の情報も提供する。
またインターネット環境の「SEIBU FREE Wi-Fi」も導入する。提供エリア内ではスマートフォン等の通信端末を利用して6言語(英語、中国語、韓国語、タイ語、日本語)に対応し、専用ページからメールアドレスを登録するだけで簡単にインターネット接続が出来る環境となる。
デジタルサイネージの市場は、2020年の東京オリンピックに向けて拡大が予想されている。富士キメラ総研が公表した2015年の調査報告書では、デジタルサイネージ全体の市場は、2013年から2020年までの7年間で約3倍になると予想され、市場の55%を占めるとされる広告市場では7年間で6倍に拡大すると予測。特に中小規模の小売店舗や商業施設の利用拡大が見込まれている。
これまで導入・運用コストともに高額であったため、デジタルサイネージの導入事例は大型商業施設に限られていた。しかし、ディスプレイの低価格化や、インターネットTVを始めとする安価なコンテンツ配信サービスが揃いつつあることから、中小規模での導入例が増えていくと予想されている。鉄道車両においても大都市圏での新型車両への導入が進むとみられている。