オリンピック年に向け社会インフラのデジタル化進む
モバイル、クラウドなど第3のプラットフォーム利用を考えるとき
IT専門調査会社IDC Japanは、国内の公共(官公庁、自治体)、医療、教育の各分野における第3のプラットフォーム需要動向調査結果を発表している。第3のプラットフォームとは、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドの4要素から成る。
IDC Japanの調査によると、公共・医療・教育分野における第3のプラットフォームへの投資は、民間企業に比べてやや低成長ではあるものの、堅調な拡大を予測。2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)の予測値は、官公庁8.1%、自治体7.2%、医療6.6%、教育5.6%としている。
この背景として、特に公共の分野では、東京オリンピック/パラリンピック開催とインバウンド需要拡大がある。これに伴い、東京・大阪などを中心に社会インフラ関連や観光分野における第3のプラットフォーム支出が増加する。
一方で、大都市圏以外の地域では、民間部門においても第3のプラットフォーム活用が進んでいないうえ、円高による景気後退が懸念されている。そのため、公共部門の第3のプラットフォームの積極的導入に伴う地域活性化が期待されている。
大都市圏以外の各地域で第3のプラットフォーム市場を拡大するには、地域内GDP成長を達成する青写真を描き、実現していくことが不可欠であるとしている。医療機関、教育機関においても、社会保障費削減、ヘルスケアサービスの向上、教育分野における国際競争力向上などの具体的な目標に向けて計画を作り、投資対効果を高めていくことが求められる。
大都市圏から活用が進んでいる第3のプラットフォーム活用への動きだが、デジタルネットワークを活用した仕組みは、遠隔地への柔軟なサービスなど、大都市圏以外にこそのメリットがあるようにも思われる。