1-6月の広告業売上は3.8%増
電波系、電子系が好調に推移
経済産業省の「特定サービス業動態統計(確報)」によると、2016年1月から6月までの半期の広告業売上高は3兆699億1,800万円で前年同期比3.8%増加した。
新聞・雑誌・テレビ・ラジオのマスコミ4媒体広告は1兆158億2,000万円で同0.2%増。内訳は新聞が1,805億円で同3.5%減、雑誌が463億9,500万円で同7.1%減、テレビが7,633億円で同1.5%増、ラジオが254億6,400万円で同4.4%増。電波系のメディアが好調だった一方で、紙系媒体は苦戦した。中でも雑誌の落ち込みは大きく、他の媒体への広告費のシフトが一層進んでいると考えられる。テレビについては8月にリオデジャネイロオリンピックという大イベントがあり、年後半の出足も好調と推測される。ラジオについてはインターネットラジオの普及が追い風となっているものと見られる。
セールスプロモーション系メディアでは、屋外広告が3,615億円で同0.9%増、SP・PR・催事企画(イベント)が4,025億7,200万円で同4.4%増と健闘したが、交通広告が1,035億1,900万円で1.8%減、折込・ダイレクトメールが3,424億4,700万円で同2.0%減だった。
インターネット広告は3,150億6,100万円で16.0%増と好調を維持し続けている。総額でも全広告売上高の10.3%を占めており、折込・ダイレクトメールを合わせた売上高に迫る。
広告費売上高は2010年以降、増加傾向にあり、2015年に平成19年の水準を超えて過去最高となっている。リーマンショックの2008年に5.9%減、翌年の2009年に15.4%減と大きく後退したものの、順調に成長している。しかしながらその内訳は業種によって異なる。電波系、電子系が成長する一方、紙系が苦戦している状況が見て取れる。年後半の巻き返しに期待したい。