行政の地方創生に事業拡大のチャンス

地域横断的連携の核になる印刷業

8月に今年度第一回の地方創生推進交付金の交付対象事業が発表された。同交付金は「地方版総合戦略」に位置付けられ、地域再生法に基づく地域再生計画に認定される地方公共団体の自主的・主体的な取り組みで、先導的なものを支援する。交付対象事業は745にも上り、交付予定額は都道府県、市区町村合計で183億5,234万2,000円になる。
採択された都道府県、市区町村はその事業を柱に地方創生に乗り出す。地域密着の中小印刷業界にとってこの動きは一つのチャンスと捉えることが出来る。例えば、「北陸次世代産業創出イノベーション推進事業」や「高知県における外商活動の拡大」、「百万石の伝統を活かした文化・観光プロジェクト」などの事業は、印刷物の活用だけでなく、コンテンツ作りやプラットフォーム構築、販促支援といったソリューションの提供が考えられる。
「地域の課題解決のための地域運営組織に関する有識者会議」の中間とりまとめでは、地域運営組織の取り組みを推進する上で法人化の推進、人材の育成・確保、資金の確保、事業実施のノウハウ等、行政の役割、多様な組織との連携が課題として挙がっている。その解決方法として、経済活動などを行うのに適した法人制度の検討や、人材育成や情報共有等のためのプラットフォームづくり、分野横断型事業展開の仕組みなどを指摘している。これらの課題解決の方向性を見ると、地域の印刷業が果たせる役割が多いことが分かる。
すでに全国的にも地域連携のNPO法人や地方創生のプロジェクトが数多く立ち上がっており、その中心に印刷会社が入っているケースも多い。各都道府県・市区町村の地方創生に向けた取り組みと親和性を持たせることで地域全体の発展、引いては自社の事業拡大が期待できる。

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