ビッグデータへの投資は535億円

低廉化、応用分野の拡大などに期待

矢野経済研究所が発表している「ビッグデータ市場に関する調査結果 2016」によると、国内企業におけるビッグデータ関連への投資額は535億円に上るという。その一方、企業のビッグデータへの取り組み状況については、「業務に取り込み済み」(2.4%)と「試験的に運用中」(1.7%)と回答した企業は合計で4.1%に留まっている。
現時点でビッグデータへの取り組みを進めている企業の大半は大企業が中心で、国内全体でみると限定的な取り組みであると分析。しかし、一時期のビッグデータブームは沈静化したものの、一部の企業ではより具体的、かつ本格的なデータ活用が進んでいるとも報告している。
現在注目されている「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」、「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」といった新たな領域は、ビッグデータの活用そのものであり、大量のデータがこれらの技術の進展に寄与している。今後、ビッグデータはIoT、AIによるデータ駆動型経済を実現するための技術基盤という位置付けへと進展していくことが予想される、とまとめている。
今後の動きとしては、①サービス基盤の低廉化、②新たな技術の実用化、③応用分野の広がり、④産業適用のさらなる進展を予測している。低廉化が進むことで大手企業だけでなく中堅企業にも浸透し、本格的な普及も期待できる。また技術の実用化や、応用分野が広がることで活用分野が広がり、それに伴いさらに技術が浸透していくことが予測できる。普及が加速することでスマートファクトリー(産業ロボットの活用などによる工場の自動化)の実現や、技術の高度化へと繋がり、ビッグデータが社会基盤の一つとして更に進展していくことが期待されている。

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