スマホ普及で情報収集にも変化
言語以外のコミュニケーションも活発化
大日本印刷(DNP)では、2016年の生活者トレンドとしてまとめた「メディアバリューレポートVol.73」を発行している(2015年10月調査)。それによるとスマートフォン(以下、スマホ)利用率が向上し、SNSコミュニケーションが活性化。それに併せて消費スタイルが変化していると報告している。
特に、15~79歳の男女平均のスマホ利用率は63.2%で年々上昇し、10~20代では9割を超えた。スマホの浸透でSNSでのコミュニケーションも活性化し、その時々の気分や状況に応じてモノやサービスを選び、自分にフィットする消費スタイルを生み出している傾向にあるという。
情報収集そのものが、いつでも欲しい情報を手軽に得られるようになり、必要になってから収集するように変化。この傾向はSNS利用者に強く現れる結果となった。例えば写真共有SNSの「Instagram」では、写真の撮影場所や撮影時の気分、投稿者の世界観などを表現。利用者は自分の気持ちや状況にフィットした写真にアクセスできるため、いつでもどこでも自分が好きな写真や動画を利用して、言語以外の情報によるコミュニケーションを行っている。
好きなものを好きな時に利用するスタイルへの移行は、コンテンツサービスだけでなくリアルなモノにも影響。スマホで音楽聴き放題や動画見放題の定額制サービスが普及しているほか、ファッションや家電製品を月定額でレンタルできるサービス、個人間でクルマを貸し借りするカーシェアリングサービスもスタートするなど、個人レベルで各サービスが波及している。こうした傾向を背景に、できるだけ長く使う消費スタイルから、瞬間的な欲求やその時の気分など、自分の状況に応じたフィット感を重視した消費スタイルに移っていくものと考えられるとしている。